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未知のチカラ-01
授業を終えた学校では、
ほとんどの部が活動の準備をし終え、
放課後の学生ライフを楽しんでいる。

グランド、
体育館、
音楽室や美術室と、
生徒達は至る場所で部活に熱中している。

その様は、
まさに青春の一ページを刻むに相応しい光景だろう。

さて、
そんな学生達がいる一方でここ桜才学園の多目的ホールには、
部活や学年など全く関係なく、
あらゆる人物が集合していた。

生徒会役員、
部活の部長、
他校の生徒会長など、
その幅は至って広い。

そこで彼らは何をしているのだろうか。

それは、
ここ桜才で予想される事件についての話し合いだった。

「会長!
これは何の会議なんですか?」

「ん?
三葉は知らないのか?」

「はい。
いきなり呼ばれました。
ネネちゃんに。」

「ネネ…。
ムツミちゃんまで呼ぶ必要なかったのに…。」

「だって、大切な話でしょ?
アレ使ってるトコ見られちゃったら…、興奮して喘ぎ声上げちゃうかもしれないし!」

「主にあんただけでしょ!」

三葉には、
今回どんな話し合いがセッティングされているのか知らせていなかった。

理由は彼女がピュアピュアの美少女であり、
汚してはならない純水の池にどっぷりと浸かったJK最後の乙女だからである。

しかし、
轟の不手際によって呼び出されることとなったのであった。

萩村のツッコミが冴え渡った一方、
ツッコミ総本家の津田はと言うと、
壁ぎわへと置かれた椅子に背中を丸めて座っていた。

何故なら、
この事件の真犯人だからである。

「まぁ一応話しておこう。
今回の召集はな、
『津田のラッキースケベ体質と氏家ト全の変質な拘りがもたらす最終回の総員パンチラを如何にして防ぐか』
と言う内容の会議をやるためのものだ。」

「ひゃー!
頭がパンクするよー!」

「結果オーライだった…。」

天草が長いこと発言したため、
三葉は結局物事の意味を理解できずに終わった。

この三葉ムツミちゃんみたいな頭の良くない子向けにその内容の簡単に解説するヨ。

このマンガの作者、
『氏家ト全(年齢不詳・漫画家)』は、
主人公と言う手先を使って最終回に女の子のパンチラを見まくると言う性質を持っている。

で、
その手先が今回、
『津田タカトシ(17才・童貞M男)』と言うワケである。

しかし、
手先である津田は、
案外そのパンチラは見れないかもしれない。

特に風を巻き起こしてのパンチラは彼が直接手を下さなくても起こるため、
難しくなる。

「会長…、俺がこの先こんなことをやるって決まってるんですか…?」

「あぁ、決まってるだろうな。」

「タカ兄、妹のパンチラ見てそんなに興奮す…。」

「しなーい、絶対にしなーい。」

「津田君!
興奮しないって、本当!?
最近は兄妹で不徳で淫らな行為に及…。」

「しなーい、絶対にしなーい。
つかエロゲ情報元にすんな!」

コトミと七条によって津田のスイッチが入ったようだ。

しかし、
この状況でスイッチが入ってもあまり意味はなさず。

何故なら総勢10数名の女子に囲まれ、
言葉での集団リンチ状態に近いのだから。

津田の表情は曇る一方なのである。

「はーい!
私、一つ提案がありまーす!」

「なんだコトミ?」

「タカ兄の魔の手を封印してしまえばいいのです!
例えば、常に何かで縛っておくとか!」

「それはまずダメだろう。
津田に支障がありすぎる。」

「そうだよ。
それじゃあ俺、日常生活できないだろ?」

津田にそんなファンシーな力が隠されているとも思えないが、
とにかく、
彼の手を使えなくすれば彼が何かを引き起こすことはないと考えたのだ。

こうすれば確かにハプニングは起こり得ないかもしれないが、
過去を例に見てみてみるとそうでもなく、
100%確実とは言えない。

「そうだよコトミちゃん。
津田君の性の処理、誰がやるの?」

「なるほど、縛られて欲○してしまったのか。」

「あるわねー。」

「あーはい、しますよしますよー。」

心配の方向性はともかく、
天草と畑の追ボケを除けばそれも一理ある。

津田は七条の胸を見たり、
通りすがりの巨乳を見たり、
それを認めるような発言をしたりしている。

津田とて思春期。

きっと七条の胸で興奮する夜もあるだろう。

そうなればもう夢○するか上手いこと他の何かを使ってイ○しかあるまい。

手を使わずともイ○ることは、
物理的に無理ではないと証明されているが、
こちらは技をマスターする必要がありそうだ。

「くっ…、タカ兄の手は包帯でも手に負えぬか…。」

「包帯にそんな効果はない。」

かなり無理がある解決策であった上に、
確実でないこの方法は棄却された。

さて、
この話はどうけりがつくのであろうか。津田に何をどうすれば事態は防げるのだろうか。

多目的ホールは一旦、
考え込む人達によって沈黙するかと思われたがしかし、
すぐに口を開いた人物がいた。

「天草会長。
一つ提案があります。」

「なんだ五十嵐?」

「最終回を迎える前に、津田副会長を自宅謹慎にしてはどうでしょう?」

「えぇっ!?」

五十嵐の考えは至って単純だ。

津田が登校さえしなければ、
パンチラのハプニングを引き起こすことはない。

コトミには効かない上に隔離に近いが、
兄妹なのだからさほど問題にはならないと考えており、
恐らく最も確実な方法であると言えよう。

因みに五十嵐は今、
猥褻な議論を展開せねばならない上に男子が絡んできているので、
機嫌は悪い。

津田がパンチラを引き起こすなどと言うことを聞いた時には、
怒りと不信と恐怖で結構なストレスを覚えた。

「なるほどな。
ただ、問題がある。」

「なんです?」

「津田はあくまで主人公だからな。
津田がいなければ最終回は迎えられんのだ。」

「うっ…。
よ、四こまの一本一本を分けては?」

突拍子もない意見だが、
最終回を津田の四こまと学園の四こまの2つに分け、
交互に展開して行こうと言うのだ。

これでは、
津田なら津田、
その他ならその他で独立した登場となり、
主人公と他の登場人物の会話がないまま終了することになる。

「津田の自宅シーンと私達の学園生活シーンを分けて描く最終回は考えにくいかと…。」

「萩村さんの言う通りです。
しかも、私のように他校の人だとタカ君がいなければなかなか気まずい空気になります。」

(いや、普段からもっと気まずがれよ…。)

萩村が言ったことには整合性がある。

そして、
津田がツッコんだことにはもっと整合性がある。

それは置いておくにしても、
やはり主人公との絡みが一切ない最終回は厳しい。

この案は妙案とは言い難かった。

「あとその場合、津田が抜けた分のツッコミお願いしますね…。
私は無理ですから…。」

「はっ!!
やめて!!」

五十嵐は重大な事実を伝えられた。

桜才内で津田の代わりが務まる人物はいないに等しいのだ。

爆走シモネタGOGO!のメンバーが圧倒するこの場所において津田はツッコミ総大将。

津田が抜ければ勢力のつりあいが保てなくなり、
場はカオスと化するだろう。

そんな想像図に五十嵐が一人震える中、
ある人物が話を進行させた。

「天草。
津田君が何か引き起こすことを前提として、
下着見られたくない娘には見せパンとかスパッツを着用させれば良いんじゃない?
ま、いればの話だけど。」

「そうですね、それがやはり一番賢明でしょうか。」

古谷だ。

ここで一つ謝らねばならないことがある。

先程、
津田は10数名の女子に囲まれて集団リンチ状態になっていると言ったが、
"女子"でない者も含まれていた。

正しくは、
"女子や女性"であった。

謹んでお詫び申し上げます。

「ただ…。
着替え中を覗かれる危険があるんですよ。」

「でも、それは鍵を掛ければ防げるのではないでしょうか?
鍵を開放したまま着替えをおっ始めるなんて、ハプニングフラグをおっ立てる行為にあたりますよ。」

「うむ、全くウオミーの言う通りだ。
ただ、何故かそう言う時に限って鍵をなくすか壊されてしまうものなのだ。
しかも津田がノックをしない保障はない。」

そう。

こう言った間接的な要因にも津田は関与する。

これが彼が最終回にもたらすラッキースケベ体質の力なのだ。

その力が議論を難しくしている要因にもなっている。

「でも、確実な効果を挙げる対策としてはいいな。
これはキープしとこう。
…ん?
どうしたアリア?」

「どうしてもはかなきゃいけない?
私は…、私は…!」

「君が普段何もはいてないことはちゃんと分かってる。
だがアリア…、それでは君のあらぬ所が津田にモロバレになると言う、ポロリ以上の一大事になってしまうぞ。
分かってるな?」

「ゲゲッ…。」

津田は気付いてしまった。

もし七条のスカートが捲れ上がれば、
彼女の○○○や***が日の目を見る羽目になる可能性がある。

これはもう大クラッシュだ。

「シノちゃん…。
でも…、それでも私は…、はかなきゃいけないなんていやよー!」

「アリア…。
…分かった。
その意志、とくと貫いてくれ。
私は見守っているぞ。」

「シノちゃん…。
ごめんね、ごめんね…。」

「いや、はいてください!」

「クレームもんですよ。」

風紀委員長の五十嵐カエデが二人の爆走を止めに入り、
風紀向上に勤しむ。

それに津田も応戦したのだが、
七条がノーパンの可能性はゼロではないため、
事態を危惧した本人は適当にツッコんで緊急回避の方法を探っていた。

ただ、
七条だけではない。

最近はコトミも目覚めてしまった模様。

これは津田の事故防止力と外野のプレッシャーの強さが求められるだろう。

こうして議論は再び平行線を辿り、
津田が妄想してエロってしまう前に終わらせようと試みるのである。

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あきゅろす。
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