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GAME-7
「はあぁぁっ!」

ボールは天草の手元から離れる寸前。

このままでは津田はアウト。

津田は逃げられる体勢にもボールをキャッチできる体勢にもない。

万事休すか。

ボールは天草の元から離れた。

その瞬間、ボールの周りには渦ができ、周囲の空気を掻き乱しながら突き進む。

威力、速さ、共に充分にある。

その時、津田の目の前には畑が。

「!」

畑は津田の前へ立ちはだかり、背中で天草のボールを受けた。

「あーー。」

畑はボールを受けた瞬間、大の字で吹っ飛んだ。

そして顔面から壁にぶつかり、地に倒れた。

「畑さん!
大丈夫ですか!?」

「だ、大丈夫よ…。
津田君がいなければこのチームは勝てない…。
頑張っ…、て…。」

カシャッ。

「大丈夫みたいですね…。」

ちゃっかりカメラのシャッターを切る畑。

いい絵だったのだろうか?

とりあえず―

「畑さん、アウト!」

五十嵐は相変わらずの仕事ぶりである。

これでBチームの残りは津田と七条の二人になった。

天草は内野に復帰。

一気に有利な状況に追い込んだAチームは4人。

天草、三葉、時、魚見で勝利を狙う。

「うっひー、やべぇなー。
五十嵐!
作戦タイムいいか?」

横島は主審の五十嵐に作戦を練る時間を要求する。

このピンチの状況に何か策を練っていたようだ。

「えっ?
そんなの聞いてない…。」

「いいんじゃない?
こっちにも作戦あるし!」

そもそも進行を急遽やらされて何も聞かされてなかった五十嵐は、タイムについて認めるか悩むが、三葉は余裕を見せたのかタイムの存在を肯定した。

時と天草にも同様の傾向が見られる。

「…分かりました。
作戦タイムの時間は今から5分とします。」

五十嵐は考えた結果、5分という制限時間をつけたタイムをかけた。

両チームは一度自らの陣地へ戻り、輪になって会議を始めた。

「横島先生、どうしたんですか?」

当然津田は横島にタイムの意図を聞く。

七条を始め、畑もコトミも彼と同じく疑問であった。

「私なりに考えたんだけど、外野のヤツに相手を狙わせるのが得策だと思うのよ。」

「…恐らくみんな分かってます。」

畑がそう言う発言をしたあと、コトミ以外の人物は全員首を縦に振った。

そのコトミは、とりあえず来たボールを厨二的コメントと共に投げるため、そのネタを考えていたのだった。

「そ、そんなことで呼んだんですか?
誰でも思い付きますよ!
華麗なるパスをすればいいんです!」

もう一度言うが、コトミは分かっていなかった。

彼女のバカ隠しは何故かバカが助長される。

たまに厨二と思春期も。

そんなコトミの思考を全て分かっていた津田はあえてツッコまなかった。

無論、時間制限のため―

「!」

いや、そうではないようだ。

コトミのコメントに津田が何か閃いた。

それは、逆転を狙うBチームの命運をかけた作戦だった。

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