ＤＤＫ
山田急線の街日駅前から少し離れた、縦浜線の駅前に着く。
その近くにある大きな家電量販店の向かいのファミレスで、駄弁に花を咲かせていた。
津田
「なんか早くも疲れた…。」
天草
「だらしないな。
午後にはまた勉強会だぞ？」
コトミ
「タカ兄はしょうがないですよ。
昨日、シノ会長に抱きつかれて欲情しちゃったんですよ！」
天草
「！！」
津田
「断じてありませんから心配しないでください。」
天草
「…そうか。」
津田
（いかん。
機嫌悪くなった。）
魚見
「私にハグされた時はどうですか？」
津田
「周りの視線が痛かったです。」
魚見
「そっか…。
よかった。」
津田
「いや、よくないよね。」
七条
「津田君、Ｍだから丁度いいよね。」
コトミ
「いや、タカ兄はもうちょっと厳しい方がいいですよ。
タカ兄、あの程度の弄りは慣れちゃった感じですし。」
天草
「そうだな。
そろそろパワーアップする時期かもな。」
津田
「あんたらは開発ゲーの主人公かなんかですか。」
七条
「うふふ。
津田君の開発するの、興味深いね！」
魚見
「ここは私が。」
天草
「なっ、何を言う！
右腕の開発は私が！」
コトミ
「スズ先輩は？」
七条
「スズちゃんは、逆に開発してあげないといけないんじゃない？」
萩村
「結構です。」
魚見
「スズポン。
開発すると発育が良くなって身長伸びますよ。」
萩村
「お願いします！」
津田
「詐欺だ気を付けろ！」
天草
「さて。
津田。」
津田
「はい？」
天草
「どうだ？
勉強は捗ったと思うが、今日こうして最終日を迎えて。」
津田
「そうですね。
勉強方法とかはまだよく分かりませんけど、集中してやったから苦手克服はできたんじゃないかと思います。」
萩村
「余裕のコメントね。
大丈夫なんでしょうね？」
魚見
「まぁまぁ。
ここはタカ君を信用して、次のテストに期待しましょ？
大丈夫。
タカ君はできる子だから。」
七条
（うふふ。
スズちゃんは、津田君に勉強教えたいんだね。
と言うか、本当は勉強なんてどうでもよかったりして。）
コトミ
「大丈夫！
私が保証する！」
津田
「お前の保証は補習になりかねないから信用しない。」
コトミ
「うまいこと言われちゃった…。」
萩村
「全然うまかない。」
天草
「そう言うコトミの方は心配だな。」
コトミ
「わっ、私だってやるときはやるんです！
多少は。」
魚見
「自信なさげだね。」
天草
「まぁ、その時はまた勉強会開こう。」
七条
「いつでもウェルカムだよ。」
津田
「そうならないように頑張らなきゃ。」
萩村
「分からないことがあったら聞きなさい。
いつでも教えてあげるから。」
魚見
「フフフ。
タカ君を独り占めですか？」
萩村
「いや、勉強教えるのに独り占めも何も…。」
魚見
「タカ君、私もいますからね。
みっちりねっとり教えてあげます。」
天草
「淫乱家庭教師か！」
コトミ
「私もお願いしますね！
レズmix的な感じで！」
津田
「コラ、目的は勉強だぞ。」
七条
「じゃあ、私も教えたげる。
私はビシバシ行くよ！」
魚見
「勉強と言うより調教になりそうですね。」
七条
「ううん、開発だよ？」
津田
「いや、だから勉強だって！」
天草
「私も教えるぞ。
いつでも構わないが、私は一番君のためになる教え方をするぶん厳しいぞ。」
津田
「はい。
覚悟します。」
コトミ
「タカ兄は恵まれてるね。
女の子に。」
津田
「いや、元女子高で女子比率が高いだけだから。」
コトミ
「タカ兄を拾ってくれる優しい女の子はいないかなぁ〜？」
津田
「お前に心配されなくてもいずれ彼女できるから大丈夫だ。」
天草
「どうだろ？」
魚見
「無理かなー。」
萩村
「できなさそう。」
七条
「そうだねー。」
津田
「えー…。」
コトミ
「今回の勉強会で一番よく分かったことは、タカ兄に恋愛は不向きだってことでした。」
津田
「いや、分かっちゃないだろ。
…え、何でみんな黙ってんの？」
津田タカトシ。
桜才学園に通うDDK。
すなわち童貞男子高校生。
彼の鈍感っぷりは、世の女共を傷つける。
そうならないためにも恋愛勉強をさせた方がいいのではないかと思う一行と、それに気づかないDDKがひとり。
勉強会は今日の午後で終わりを迎えるが、全員でこのDDKに恋愛勉強をさせようかと企てる、土曜日のランチ手前だった。
おまけ
天草
「なぁ、やっぱり日曜もやらないか？」
魚見
「やった方がいいと思う。」
出島
「ついに私の出番ですね。」
津田
「ないから。
つか、あんた神出鬼没すぎだろ！」
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