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紡いだ奇跡
誰よりも(CHリョウR-18に続く)
「あら?お兄さん遊ばない?」

「結構」

「そこの兄ちゃん!安くてきれいな子いるよ!」

「結構だ」

息がつまる。
だが、ここを通らないと撒けそうにない。

なんとか抜け出した路地裏にへたりこむ。


「可愛い顔した姉ちゃんよ、こんなとこにいたら危ないよ〜?」

「ぁあ?」


うざい。
そんな耳障りな声の主は厳つい、いかにも、な野郎。

体力ないってときに……。

「どう?遊ぼうぜ?」

「わりぃな。遊びは卒業したんだわ」

「強気な姉ちゃんだな。余計気に入ったぜ!俺たちと遊ぼうぜぇぇ!!?」

「いっ!!?」

野郎が声を上げた瞬間、わらわらと厳つい野郎が現れた。
どっから湧いて出やがってんだよ。


「……はぁ……疲れてんのに……」


ため息が何度も出る。


「聞いてんのか?」

野郎はそう言って首を締め上げてきた。


あー、逃げたりとかもめんどくさくなったなぁ。

殺されてもいいかなぁ……。


もう、いいかなぁ……。


ぼんやりした思考と虚ろな表情で無抵抗。

野郎たちはいい気になったのか
首を離して、腕を縛り上げた。

「いきなり無抵抗になって、利口だなぁ?」

「あぁ、どうでもいいから勝手にやって殺してくれよ」

「あ?」

「疲れたわ。おまえらの相手も、世の中も、人生も」

「おもしれぇ!性奴隷にしてから殺してやらぁ!!」

野郎たちは下品に笑う。

服が乱暴に引き裂かれていく。

秋風が肌をなぞる。
夜中の空気は少しひんやりした。


「あーら?楽しそうなことしてんじゃん?俺も混ぜてくんねーかな?」

「誰だ!」

野郎たちは声の主を探す。


路地の入り口部分の壁に、そいつは寄りかかりながらこちらを眺めていた。

「上玉じゃね〜か。俺も一発やりてぇな」

「飽きたらくれてやるから黙ってみてな!」

すると、いつの間に移動したのか、捕らえてる野郎の肩を掴んでいた。

「俺、一番じゃないとやなのよね〜てわけで、もらってくわ〜」

「はぁ?ふざけたこと言ってんじゃねぇ!おいてめぇら……」

野郎が後ろを振り向くと、今までいた野郎たちが倒れていた。
野郎の顔色が悪くなる。

「逃げておく?それともここで、倒されたい?」

野郎は、情けない悲鳴をあげて逃げ出した。

「ありゃ、こりゃ中性的な顔立ちしてんね〜どっかの男女みてぇだ」

「助けてくれと言った覚えはねぇ」

男は変な顔をした。

「そりゃそーだけどさ〜困ってたんじゃないの〜?」

「別に。好き勝手にされて殺されようと思っていたから」

「……お嬢ちゃん、いくつよ?」

「……関係あんのか?」

「俺としては非常に興味深い!いい体しとるから……」

はぁ。
何度目のため息だろう。

「16」

「わかっ!若いのにけしからん体つきしちゃって!一発どう?」

こいつ、なんなんだ……。

「どーぞ、今動けないしね。好きにやってよ、もうどーでもいいんだよ……」

男は、エロい目つきから真剣な目つきに変わった。

「なんか、あったの?俺で良かったら聞くよ?」

「別に。他人には関係ないことだよ」

「そだ、俺は冴刃リョウ。君は?」

「…………アイだ」

「名前だけしか教えてくんないの〜?」

「黙れ」

リョウ、と名乗った男は困ったような顔で笑った。

「あんた、シティーハンターのリョウだろ?」

「若いのによく知ってるね〜?」

「そゆのに興味あるだけだ。そのCHが俺みたいな小物相手にするなんざ、もったいねぇよ」

「大小関係ないさ。俺は依頼の内容に心がふるえたら受けるだけ、だからな」

「ただの身内の小さな問題だ。あんたが首突っ込むほどじゃねぇ」

「でも、アイちゃんは悩んで死にたがってるほどのこと、なんでしょ〜?」

わかってるような言い方をされて、イラッときた。
無言で縛られた腕を差し出すと、思い出したように縄を切った。


その瞬間に、脇を抜けて走り出した。
リョウは驚き、動けなかった。

速い……。

「じゃあな、リョウ。縄、ありがとよ」

それだけ言い捨てるように言うとアイは闇夜に消えていった。

「……またな、だろアイ……」






.........





とりあえず、ですね
たぶんリョウだから甘いのしか書けないorz
しかも設定まだちゃんと決まってない

続きます

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