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紡いだ奇跡
ストーカー?(TOVレイヴンR-18?15?)
夜中、約束の場所に現れる渋い男性。
私はその人をいつも遠くからみていた。
約束といっても、私との約束じゃない。

知らない、女性。


特にダングレストに現れる。
というか、私がダングレストにいるだけ。


「また今度、ね」

「は〜い。まったね〜お嬢さん」


名はレイヴン。
彼の通り名。
本名は誰も知らない。


レイヴンは、気付いている。
ダングレストにくると必ずある、視線に。






深夜。
レイヴンはフラフラとダングレストを散歩する。
チラホラ見える人影。

レイヴンをつけてる、女性。


人気のない、結界魔導器のそばにやってきた。


今日の約束はあそこ?
でも誰もいない。
いつもなら女性のが先にいるのに……。


「そこにいるんでしょー?わかってるのよ?」


誰に言っているの?


アイは眉をひそめ、レイヴンを見つめる。
背中を見せてたレイヴンだが
くるりと、確実に、アイの方に体を向けた。

ビクッ!として、アイは瞬時に建物の影に体をおさめる。


「おーい?隠れてもわかってんのよ〜?ね?出てきなって」

私、だよな……。
ついに見つかってしまった……。


アイは俯きながら姿を現す。


「んー?あら、可愛い子じゃないのー!おじさんのストーカーして、なんか企んでんの?」

顎に手をやり、アイを見据える。


一目惚れしたとか、い、言えない……!


「んんー?あれ?君は確か……カドスの喉笛で魔物に襲われてた子?」

「え!!?」

覚えてたの?


以前、ギルドの仕事で単独行動しており
カドスの喉笛に行ったとき、不覚にも魔物に襲われ、囲まれた。

その際、このレイヴンが、助けてくれたのだ。


ドキッとして
それから毎日レイヴンを探し、情報収集した。
見かける度にドキドキしてた。


「可愛いお嬢ちゃんのお名前は?どうせ俺様の名前なんて知ってるでしょうよ?」


いつの間にか、目前にきていたレイヴンに
初めての近距離にドキドキしていた。

「あ……アイ、よ……」

「アイちゃん?ふーん?かーわいいなぁ……おじさん食べちゃいたい」

ペロ、とアイの口を舐める。

「あの!」

近付くレイヴンの胸を押しながらアイは声を出した。
恥ずかしくて顔は真っ赤。


「た、助けてくれてありがとう!い、言いそびれてて……」


会話できたときに、告白するって決めてたんだ!
するぞ!

「あ、ああ、あの……、その……」

レイヴンはそっ、とアイの頬に触れた。


「アイ、名前も知ってた」

「……え?」

「アイがあのとき、偶然じゃないのよ」

「偶然、じゃない?」

レイヴンはアイの腕をつかみ、地面に押し倒した。
痛みのないように、そっと。


「初めてここでアイを見つけたときから、俺様アイが好きになった」

まさかの告白。
アイは混乱した目でレイヴンを見やる。

「本当に、世界一可愛くて、美しかった。だから、時間あるときは俺様がアイを追いかけてた。女の子と遊んでたのは、ごめんね?あれ、アイの情報収集」

「わたし……助けてもらったときから、レイヴン好きになったの……」


ぽろり、と
石ころを転がすようにその言葉は出た。

「あら、じゃあ余計遊んでてごめんね?あ、でもセックスしてないからね?信じてくれる?」

「う、うん」

「ありがとー。アイちゃんやさしー!」

体制的に、心臓の鼓動は早鐘のようだ。

「じゃ、付き合ってくれるかな?」

「い、いいの?私で?女の子と遊びたいでしょう?」

「いやー、その話は勘弁!昔のことよー!今はアイちゃん一筋なのよん」

ちゅっ、と優しいキスをする。

「アイ、返事は?」

「あ、お、お願い、します」

整理つかない頭だがいうべき返事は決まってる。


「いやっほう!おっさんこの歳でこんな美女ゲット!じゃ、早速いただきます」

「え?え、あ……ん、ふぅ……んっ」

レイヴンは糸が切れたようにアイの唇に吸い付き、濃厚なキスをする。

頬を赤らめ、アイはレイヴンの腕を軽くつかむ。


「ん……気持ちいい唇」

「っは!はぁ……こ、ここで……するの?」

「ん〜?何が?」

レイヴンはするりとアイの胸元に手を忍ばせ、膨らみを優しく揉む。

「ぁ、ぁう……んっ……そ、のぅ……」


レイヴンはアイの額に軽くキスをすると、アイを抱き上げた。

「じゃ、宿屋いきましょうかね〜」

「んっ……あ、ありがと……」


そう言って、宿屋へと向かって歩き出した。




END

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あきゅろす。
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