[通常モード] [URL送信]

俺と影

前回からのあらすじ



先週の日曜日あたりに起きた高幡誠大量出現事件と言う訳の分からん事が起きた休み明けの月曜日からの多く寄せられた目撃証言から美空台高校ミステリー研究会は繁華街にあるデパート「MISHIMA」に有力情報があると言うことで総出で出動していた。

そんな中、とある人の勝手でミステリー研究会に拉致監禁された高幡誠は椅子に縛り付けられたまま忘れ去られていた。

下腹部のあたりが限界寸前だった頃、突然現れた影を纏った女神様。噂の多数の俺こと「ドッペルゲンガー」が性転換して現れ、彼女の手により難を脱して逃げるように自宅に帰宅したまではよかった。

自分の帰りを出迎えたのは、父でもなく、母でもなく、飼い犬でもない。



そう、件のドッペルゲンガーこと女神様が出迎えたのだ。






さて、帰宅してから瞬く間に一時間くらい過ぎて夕食時になっていた。帰ってきてすぐに見た彼の女神様との痛烈極まる感動?の再会を果たしたのだ。俺はあれからずっとぼーっと呆けたままだった。

「誠、夕飯になるから着替えてきなさい」

母に催促されるまで制服のままソファーにぐでんともたれ掛かっていた俺はのそのそと自室へ向かった。ちなみに、件のドッペルゲンガーこと女神様は愛犬ジョンソンと戯れていた。

あれ以降女神様と言葉を交わすことなく夕飯の時間になった。

我が家の今晩の夕飯の献立はマーボー豆腐に餃子、ホイコーロと中華三昧である。たまたま挽き肉やらが安かったと母が笑みを浮かべながらこぼしていた。一家団欒での夕食が我が高幡家の日常だ。



ただ…



今宵の晩餐は一味違う。



何食わぬ顔で我が家の夕食にありついている女神様が俺の真向かいに座って普通に夕飯を食ってるからだ。しかもそれが当たり前であるかのように普通にしている両親にどう切り出したらいいか、持つ箸が未だ動かず思考だけが行き交っていた。

[次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!