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素直な気持ち 7




今日は、やっと迎えた、学校が休みの日だ…
心の底から、ホッとする。


でも、外出する気にもならず、
家族で出かけようと言われたのを1人だけ断って、
自室で…ゲームや漫画で気を紛らわせようとするけど…

…何をやっても、楽しくない…。

集中もできない…。



ただ、空しいだけ…。

 



思い出すのは…雲雀さんの傍で過ごした、あの時間。
――あの日々。

ただ、毎日、決まった時間だけ応接室にいて、
雲雀さんの邪魔をしないようにしてたダケの時間。



お茶を入れたり、自分の宿題をしたり、持ち込んだ本を読んだり…
2人で一緒に何かをする訳では無かったけど…
一緒に過ごした時間…。

1時間だけでも…同じ空間にいる事が出来た
…あの日々…






付き合い始めの頃の私は
『雲雀さんの仕事をしている姿は、とっても素敵!』
と思ってて…
その姿を見られるだけで、本当に心から嬉しかった。

彼女として認めて貰えてるだけで…光栄な事だと思っていたのに…。



毎日、1時間だけでも、あの応接室で過ごせる事が…
夢のようだと感じてた。
会話なんてなくても、
その姿を近くで見られるだけで、良かったのに…。

傍にいられるだけで…
幸福を感じていた、十分に幸せだと、心から思っていた、
…のに…。






どうして、段々と…

それだけでは満足できなく…なったのだろう?






恋人らしい事をしたいっていう気持ち自体は、
きっと自然な感情?…なのかな?

――でも、相手が、…あの雲雀さんなら、別だよね?
そう…そんな事、初めから分かっていた筈の事。

彼に、そんな…普通の人と同じ行動を求めるなんて
…無理な話だって、誰でも知ってる事だ。


私だって、付き合い始めの頃は…
そんな分別もついたし、我慢だって平気だった…



――なのに、何故?












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あきゅろす。
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