素直な気持ち 5
「…………。」
…最後まで、冷たい…突き放す言葉だった。
優しい言葉や、放っておいた事への
謝罪の言葉が聞けるとは…思っていなかったけど、
…でも、それにしても冷たいよね。
相手にされてないとはいえ、一応…
仮にも、彼女なのに…
やっぱりダメなんだ、…私達。
……もう、これ以上は……
「…あの、今まで有難うございました。」
「…もう、明日からは…来ません。」
「…お仕事、頑張って下さい。」
「……さようなら……」
彼の顔を見る事が出来なくて、
下を向いたまま…急いで、鞄を抱え込み
…ドアに向かう…
…泣きたくなんかないのに…自然と涙が滲み出た。
もうこれで…最後だと思うと切ない。
心が締めつけられて…苦しい。
出来れば、もっと一緒にいて…
2人の楽しい思い出を作りたかったな。
応接室のドアに手をかけた…
でも…スグに手が動いてくれない。
暫く、ドアの所で逡巡してたけど…、
思いきってドアを開け…応接室を後にした。
ドアを開けた後は、全く雲雀さんの顔を見ずに…
そのまま、逃げ帰るように飛び出した。
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