必然の再会 8
「さっきから、その熱い視線が…気になっててね…」
クスリと笑いながら、愉しげに話す雲雀さん。
「君の顔に見覚えもあるし…」
「誰だったか…さっきから一生懸命、思い出してだんだよ。」
「君…中学の時に、…僕にバレンタインのチョコをくれたね?」
「……えっ!?」
どうして…私があげた事を、知ってるんだろう。
名前なんて、書いてないのに…。
「……不思議そうな顔だね。」
「学校にチョコなんて、校則違反な物を持ち込んだ連中は、調べられる範囲で調べてたんだ。」
「君は…チョコの包みに、イニシャルを入れてたからね。」
「僕にチョコを贈りそうな女子の中で、君と同じイニシャルは居なかったし…」
「君の字は、特徴があったから…スグに調べはついたよ。」
「最も、調べがついても…」
「あまりに咬み殺すべき人数が多かったし、全員女子だしね…、」
「結局、毎年…面倒だから…」
「――全員、不問にしてたけどね。」
…まさか…
――あんなイニシャルぐらいで、個人が特定されるなんて
…思ってもみなかった!!
…冗談でしょう!?
…風紀委員会の調査力って、そんなに高かったの!?
「それに…その年に、君が朝早く来て、応接室前に…」
「こっそり、誕生日プレゼントを置いたのも…見てたしね。」
「……えっ……」
…嘘っ!?…
…あんなに早朝に行ったのに…
雲雀さんは…もう学校に居たの!?
そんな…、あの場面を見られていたなんて…!!
――あぁ、もう言い訳は、出来そうにないな…。
…どうしよう…。
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