[携帯モード] [URL送信]
必然の再会 13



【雲雀さんサイド】




僕を見て…
みるみる顔を真っ赤にして行った彼女を見て…
ふいに昔の…遠い記憶が、呼び起された…



中学の頃、密かに…
その瞳に僕だけを映して欲しいと願ってた少女が…

ある日突然、…美しく成長した大人の女性になって
眼の前に現れるなんて…

そんな…
奇跡のような偶然があるとは、思わなかったな…。






いや、これは偶然ではない、


…きっと、今日のこの再会は“必然”だ。 






再び出会う為の…時期が巡って来たのだ…

今度こそ、お互いの想いを伝える為に…

誰かが用意してくれた舞台だと…そう思う事にしよう。







明らかに、妙な緊張をしている彼女…
さっきからチラチラと、僕を見ている。

…これは、脈アリと捉えて良さそうだな…




少し、意地悪かとも思ったが…
何か言う事はないのか、尋ねてみた…

…だけど…

どうやら彼女は
中学の時の自分の想いを、ココで言う気はないようだ…

僕が何も知らないと、…そう思っているのだろう。





このまま知らない振りをしたのでは、何も始まらない…
彼女が言う気がないのなら…
僕の方から、言ってあげようか…






僕が…彼女がチョコや誕生日プレゼントをくれた相手だと
知っていた事に驚いている…

風紀委員会は
僕の命(めい)には絶対に応える組織だったからね…

僕が『送り主を調べろ』と言えば…
彼らは必至になって、探偵さながらに働いた…

お陰で…彼女の事を知る切欠になったんだけど…




まさか、イニシャルごときで、
個人が割り出されるとは、思っていなかったみたいだけど…

他に、同じイニシャルは数人しかいない中、
ワザワザ僕にチョコを贈るなんて事しそうなのは、彼女だけだったし…

…案外、簡単に判明したのだが…
(当然、僕のファンクラブなんてモノの存在も…)
(そのメンバーも、調べはついてたしね。)








[*前へ][次へ#]

13/17ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!