[携帯モード] [URL送信]
必然の再会 11




「君は…大人しい生徒だったし、僕に告白する勇気も無かっただろうし、」
「…僕も…あの時は…」
「自分の気持ちを打ち明けるつもりは、無かったからね。」
「あの恋は、あれで終わりだと…ついさっきまでの僕は、そう思ってたよ。」

「でも、今日此処で会ったのは、――きっと偶然じゃない。」

「今の僕なら…」
「君と付き合っても良いと思うんだけど…君はどうだい?」
「…もう、僕の事なんか忘れた?」






「……忘れる筈がありません。」
「中学の時からずっと…私の中での一番は雲雀さんでした。」

「今だって変わらずに…貴方に憧れています。」
「…今でも雲雀さんが…好きです。」





「ワォ。――良いね、その台詞…。」




とても愉しそうで…
不敵な確信犯的な笑み…の雲雀さん…。






「…でも、私なんて…」
「とても貴方の隣りには、相応しくないです。」

「だから、このまま片思いのままでいようと…そう考えていました。」
「…あの、…さっきの言葉…本気ですか?」





「付き合おうって、言った事かい?…勿論、本気さ。」
「…僕は、嘘や冗談は嫌いなんだ。」 



「…でも…」







「僕が付き合いたいって言ってるのに、何が不満なんだい?」
「僕の隣りがどうとか言ってたけど…」
「君の方こそ…綺麗になって、…もう彼氏がいるんだろうと、思ったけど?」



「…彼氏なんて、いません。」
「だって雲雀さんほど私の心を捉えた人は…居ませんから。」







「…そう。…なら、良いよね――。」



そう言うが早いか…
気が付いたら…彼に抱き竦(スク)められてて…




……驚く私の耳元に……




「僕の彼女に、――なりなよ。」



そう、低音の艶やかな美声で…囁かれた…











[*前へ][次へ#]

11/17ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!