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必然の再会 10




「…僕と、――付き合ってみないかい?」




「……へっ?……」



我ながら、とても間抜けな声が出たと思う。





ビックリして思わず顔を上げると…眼の前で雲雀さんが、
可笑しそうに喉の奥でククッと笑う。


…すっごく!恥ずかしい。




いや、それより…、今、なんて言った? 

付き合うって…? 


…私と…雲雀さんが…?








全く予想もしてなかった事を、突然言われて…
頭の中は大混乱。

スグには、反応出来なかった。









茫然として、突っ立ってる私を見て、雲雀さんが更に笑う。


「…そんなに、ビックリしたかい?」




コクンと頷く。



だって、あんまりビックリし過ぎて声が出ない。 

…どうして、私なんかと?





「…君、自分ばかりが、一方的に見ていたと思ってるの?」




…ん?

…どういう意味?


言われた意味が解らなくて、小首を傾げる。




「…つまり、僕も…君を見ていたって事だよ。」



「…えっ?…」
「あの、それは…つまり、中学の時に…という事ですか?」





「…そうだよ。」
「チョコの送り主の1人だと…そう判明してから僕はずっと君が気になっててね。」
「誕生日にプレゼントを贈ってくれた時は――正直、嬉しかったよ。」

「でも、君が高校生になってから…」
「並盛では全く姿を見かけなくなったからね。」

「…あれは、僕の淡い初恋だったと…」
「そう思って、実はさっきまで、すっかり忘れてたんだ。」



どこか穏やかな表情で…
そう話ながら
あの綺麗な瞳で…じっと見つめられた。




「…君が、あんまり熱心に見つめて来るから…」
「その熱い視線のお陰で、思い出したよ。」






……初恋……? 


雲雀さんの初恋の相手が、――私? 





…まさか…、そんな都合のいい話が…ある?

これは…夢?





――私は、白昼夢でも、…見ているのだろうか?









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