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異常事態 13




「あの、…そろそろ、離して頂けませんか?」



「嫌だって、言ったよね?」





「でも……。」



「僕に、抱き締められるのは、嫌いかい?」






「…そんな事、ないですけど…、むしろ好きですが…。」



「じゃあ、何も問題ないよね…。それに…僕は、まだ満足してないよ。」



「…満足?」






「そう。 君が、あんな連中と、群れるからいけないんだ。」
「このイライラは、あんな程度の罰では…治まらないよ?」



二ヤリと不敵に薄く笑いつつ、瞳を覗き込まれて…
背中がゾクリとする――。








「…罰って…。 やっぱり、さっきのアレは…ワザとだったんですね?」



「…当たり前だろ。でなければ、この僕が、人前であんなにベタベタする訳がないだろ。」



「…………。」








「それに…念の為の…虫除けも兼ねてたけどね…。」


(…む、虫除け?……?? )







「さて…、これから――どうやって、咬み殺してあげようか?」





(…っ!!…))




切れ長の眼を細めて…
怖い程の妖艶な笑みで、そんな事を聞かれても、困りますっ…!

例え、どんなに身の危険を感じたとしても…
ココには逃げ場なんてない。




どの道、彼には敵わないのだけど…。
い、痛いのは…嫌だなぁ…。


――と、身構えて、思わず身体を固くした…。











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