異常事態 12 マリィ「あ、あの…離して、下さい。」 恭「…嫌だ。この連中が来たせいで、君と二人で過ごせる筈の時間を、邪魔されてるんだ。――もう、我慢出来ない。」 「それとも君は、僕と一緒に居たくないって言うの?」 マリィ「いえ…そんな事は言ってません。ただ…その…お客様がいらしてるのに…。」 恭「勝手に押し掛けて来たんだ…、放っておけば良い。」 マリィ「いえ…そんな訳には…。」 (あぁ、何時までこんな恥ずかしい事をするつもりなんだろう?) (…彼は絶対にこの状況を楽しんでるっ!) まるで茹でタコのように、 真っ赤になってマリィさんが助けを求めて、こちらをチラッと見る…。 しかし、この状態の恭さんに、 迂闊に下手な事を言えば…トンファーの餌食になりそうだ。 ボンゴレの皆さんは…あまりに珍しく、 異常な恭さんの言動に驚き過ぎたのか… 言葉も出ないようだ。 すみません…マリィさん。 …助け舟は、出せそうにありません。 ―― そう目で訴える。 ……マリィさんが、 恭さんの腕の中で、小さく溜め息をついた…。 それに、気が付いたらしい恭さんが、 二ヤリと満足気に薄く笑っている…。 ――恭さん、何もそんな方法で、 純情で純真な彼女をイジメなくても…。 ボンゴレの皆さんと、親しげに話していた彼女への、 報復のつもりだろうか…。 暫くして… 未だに呆けたままの皆さんに、恭さんが声を掛けた。 恭「ねぇ、君達…何時までソコにいるつもり?…邪魔だから、早く帰りなよ。」 ツナ「…えっ!…あ、あぁ、そうですね…。か、帰ろうかみんな…。」 獄「は、はいっ!…帰りましょう。」 山「…そうだな…。」 了「…お、おぅ!」 骸「…クフフ。随分と珍しいモノを見せて頂きました。…まぁ、今日の所は大人しく帰りますか。」 ディ「じゃあ…、か、帰るか。……マリィ、恭弥…また来るぜっ!」 恭「もう、来なくて良いよ。さっさと帰りなよ。」 リボ「――じゃあな、ヒバリ。イジメるのも程々にしとけよ。」 リボーンさんが、 ニヒルな微笑でそう言ったのを最後に… ボンゴレの皆さんは… 世にも珍しいモノを見た時の… 困惑した表情を浮かべつつ帰って行かれた。 今の光景は…夢か現か…。 兎に角、あの光景を見てない他人に言っても、 信じて貰えない事だけは……確かだろう。 恭「哲、君も…今日は、もう良いよ。」 哲「…へい。では、…これで失礼します。」 そう言って、一礼し、部屋を後にしたが… あの後、マリィさんは大丈夫だっただろうか…。 [*前へ][次へ#] [戻る] |