異常事態 1
注)このお話は、大人雲雀夢『Prisoner』と『決定事項』の続編です。
※大人雲雀夢『Prisoner』&『決定事項』を読まれていない方は、
そちらを先にお読みくださいね。
そうしないと、ネタバレ&意味不になります。
*順番は『Prisoner』⇒ 小話『決定事項』 ⇒ 『異常事態』となっています。
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――最近の恭さんは、不気味なくらい…機嫌が良い。
不機嫌になり、トンファーが飛んで来るのも困りものだが、
こんな恭さんを見るのは、
長年傍で仕えて来た私も初めてで…少々、戸惑っている。
中学生の頃から、
恭さんの…他者を寄せ付けぬ圧倒的な強さや、
カリスマ性溢れる颯爽とした姿…
プライド高き、孤高の存在に…憧れ、尊敬して来た。
……いや、――“尊崇”している。
正直、理不尽だと思う扱いも…少なからず受けて来たが、
…そんな事で、恭さんの元を離れようと思った事は、
ただの一度もない。
≪自分の全てを掛けても惜しくない≫と思える、
雲雀恭弥という人物に出会って以来…
――私の生活は、
全て恭さん(委員長)中心に廻って来た。
中学生の頃は風紀副委員長として、
恭さんの補佐をし、並盛の風紀を守る事に全力を尽くしたし…
風紀財団を設立する時には、
共に走り回り…共に汗を流した。
今では、風紀財団のbQとか、
雲雀恭弥の腹心の部下…草壁哲矢
――などと呼ばれている。
…誰よりも長く恭さんの傍に居たし、
誰よりも恭さんの気持ちに敏感である、という自負はある。
――そんな、長年…恭さんに仕え、
付き従い、傍に居た私が…
…こんな姿を目の当たりにする日が来るとは――、
中学生の時には…考えたことすら、無かった。
想像した事すら…無かった。
――いや、全くの想定外だ…。
…最も、こんな雲雀恭弥を想像出来た人など、
――誰ひとり、居ないだろうが…。
…………。
この…恭さんは、本物の恭さんなんだろうか?
と、疑いたくなる程だ…。
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