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闘神降臨 9



【4月4日・午後の続き】



校長以下、全員の気持ちが、確認出来た直後…
1人の少年が、正門から入って来るのが見えた。




あれは、ここ数日、毎日学校の様子を見に来ている
…この春入学予定の新入生の男の子だ。

昨日も来て、校内や校庭などを見て周っていた。

余程、この学校に入学するのが楽しみなのだろう…と、
微笑ましい気持ちで、教職員の間でも話題に上った子だ。




ただ…何故か、今の並中の制服であるブレザーではなく、
旧服の学ランを肩に羽織って着ている。


もしかしたら、入学予定の学校が別にあったのに…
親の急な転勤などで、並盛に引っ越して来たせいで
並盛の制服である、
ブレザーの準備が…間に合ってないのかもしれないな…

あの学ランは…きっと、
引っ越し前に行く予定だった学校の制服なのではないか?


―― そんな勝手な憶測を、
教職員達がしていた子だった。








このまま進むと、あの不良共の大勢いる校庭に行く
…大丈夫だろうか?

誰か、あの少年に
忠告してあげたほうが良いのではないか?

教師達の間で、そんな声が聞こえた。



…どうする…?


だがしかし、誰ひとり外に飛び出す勇気もなく、
結局見守るだけだ。








教師達が相談している内にも、
少年は、スタスタと校庭に向かって進み続ける。

―― そう言えば、さっきまで正門の前で
見張りのように立っていた不良が見当たらないが、
…あいつらは、どうしたんだろう?
 
少年が入って来る瞬間は見ていなかったが…
移動でもしたのだろうか?








少年は迷い無く進み、
ついに校庭内に足を踏み入れた…。

その姿を見て、ザザッと一斉に立ちあがり、
または武器を抱えて、戦闘態勢になる不良達。




このままでは、あの少年が危ない!  

…誰もがそう思うが…





…教員達は、怖くて身体が動かない…。












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