[携帯モード] [URL送信]
闘神降臨 8





【4月4日】



…その日…
並盛中学は、不穏で異様な空気に包まれていた。


一体何処から、そんなに集まって来たのか、
これから何をするつもりなのか――

校庭に、もの凄い人数の、不良共が集まっている。




見慣れた並中の不良達は勿論、近隣の中学の不良達…
そして見るからに、中学生ではない、高校生と思える集団に、
派手なバイクで乗り付けた、族のメンバーらしき者達。

そして、平和な並盛では珍しい…
人相の悪い、極道の者だと思われる者達まで来ている。


一体、どうしたのだろう!






朝早くから、部活で来ていた生徒達は、
昼前から続々と集まりだした不良達に恐れをなし
とっくの昔に全員帰宅した。

校内に残っているのは、2日後に迫った、
入学式の準備の為に集まっていた、全教職員達のみ。




しかし、校長や教頭以下、
全員…為すすべなく、遠くからこっそり見ているだけだ。

どう考えても、下手に関わらない方が良さそうだ…







しかし、彼らは一体何をしに来たのだろうか、
会合という雰囲気でもない。

中には、鉄パイプや、金属バットと言った
武器になりそうな物を持った者達までいる。

――かと言って、この集まった連中が敵味方に別れて
今から抗争する…という訳でもなさそうだ。




…誰かを待っているような、素振りだ。 


一体誰を?









広い校庭に、全部で一体何人いるのか不明だが、
かなりの大人数が集まった。

そして、勝手気ままにアチコチに座り込んでいる。


校内を良く見ると、正門だけでなく
通常は出入りをしない他の門も含めて、
外から人が入って来るのを監視しているようだ…。







兎に角、無事に定年退職を迎える事が、
己の第一目標である校長は…

これから何があるか知らないが、
自分達は一切の関わりをしないでおこうと…
…教職員全員を集めて話した。


勿論、こんな並盛の不良共を一同に集めた場面で、
何か行動を起こそうなどと考える者はいない。

いくら何でも、この連中は相手が悪過ぎる…
恐らく警察を呼んでも無駄だろう。

あの中に数人混じっている、あの極道の組の者は、
警察にも圧力を掛けられるという噂は、皆が知っている。




これだけの大人数&怪しい連中が公立中学に集まっているのに、
警察が様子見にすら来ないのだから…
すでに、裏から手を回して
邪魔が出来ないようにしているのだろう。






こんな連中には、
我が身が大事なら、関わらないのが一番だ。

だが、彼らが何をしようとしているのか、気になる。



―― そこで、彼らに気がつかれないように、
そっと陰から行方を見守る事にした。










[*前へ][次へ#]

8/18ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!