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闘神降臨 4




並中でタバコを吸っている所を、雲雀に襲われた不良達が、
意識を取り戻すまでは、随分と時間が必要だった。

彼らは、何とか立ち上がると…
フラフラの身体を引きずって、逃げるように並中を去った。









【4月1日】



そして――翌日。


自分達の拠点としている廃屋に行き、
そこに集う並中の不良仲間に、
事の次第と、雲雀の外見の詳細を話したが…
…誰ひとり、雲雀の事を知ってる者はいない。

アレは…一体誰だったのだろう…。

『僕の学校』と言っていたが、在校生ではないだろう…。
背格好を見る限りは、新入生っぽいが。

しかし、服装は『学ラン』だったので…
他校からの転校生なのかもしれない。





今年の春は――
近隣で名の知らない者はいない猛者である…
草壁哲矢が入学してくる。

草壁は、その巨体と強い力が自慢で…
小学校低学年の頃から、その強さが噂になる程の奴だ。



彼は…中学生の不良共にも負けない強さを誇り、
近隣小学校高学年のガキ共の頂点に立ち
強い割には、性格は比較的温厚で面倒見も良い事から、付き従う子分共も多い…。

通っていた小学校だけでなく、
周辺にある小学校のガキ共までが
草壁の周囲に集まっているのは…少々厄介だ。


草壁の他にも、体格が良く強い奴が結構いる為、
決して侮れない連中なのだ。




今までは、中学と小学校という…壁があった為、
お互いに意識はしても、関わり合う事はなかった。

しかし、今年は同じ中学になるのだ…
どうしても関わらずには居られなくなる。



草壁をどうするか、仲間にするか…
いや正確には軍門に下るか
先輩の威厳を保つべく、闘いを挑んでみるか…?

草壁への対応をどうするか…それをみんなで相談している所へ
―― それ以上の脅威になりそうな奴が…
突然やって来た!!


不良達がそれぞれ倒されるまで…ほんの一瞬!

…目にも止まらぬ速さで、倒されたのだ…。







しかし、その事実を告げた仲間達は――

『それは…そいつの外見に騙されて油断していたからだろう!』
『自分達は、そんなに簡単にヤラれる程…弱くはない筈だ!』
…と譲らない。



話合った結果…
草壁より強い奴がいるなんて聞いた事はないし
たまたま…攻撃が一撃で当たったのではないか、と言われた。

そう言われると、確かに油断はしていたし
…そんな気もして来る。

何しろ、アッという間だったので…
どんな攻撃だったのか、記憶も曖昧だ――。





そして、その生意気な奴を叩きのめして、
二度とそのような事が出来ないように…
早目に思い知らせておいた方が良い…という事になった。


そう言えば、
“アイツ”は、草壁の話を聞いて興味を示していた…。

何となく…“奴”が草壁と手を組むと…
ヤバイ気がする…。

―― そんな意見で一致した。







そして…どうせなら、今日の内に早目に
…片付けてしまおう!


そう、結論を出した彼らは、
仲間に聞いた雲雀の容貌を参考に、
“その少年”を探して周った…








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あきゅろす。
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