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闘神降臨 3



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――あれから、…数年。



この春、雲雀は中学に入学する。

『並盛中学校』という、
その名の通り平凡な普通の中学である…。



学校の設備も、規模も…
学力のレベルも…全てが平凡で平均的な、普通の学校だ。

只ひとつ…学校の敷地と校庭は比較的広いと言える
…公立の中学校だった。










【3月31日】


天気も良く暖かい春の日に――

…満を持して、眠れる獅子・雲雀恭弥がついに…
…行動を開始した…





今後、自分の活動拠点になるであろう…
並盛中学を見学に来たのだ。


校内を、ゆっくりと見て周る…。

今は、春休みであるため、
一般生徒は来ていないが、部活動をする生徒達の為に
学校は解放されており、難なく校内に入れた…。





一般教室、特別教室…
職員室や保健室…校長室や、放送室…それに応接室。

校内の出入り口、体育館、部室の棟…
隅々まで隈なく見て周った。



良くある普通の規模の学校…
使い勝手は、なかなか良さそうだ…

((気に入ったよ))
そう思いつつ、今日の所は…これで帰ろうとした、
その時…



…運悪く…
並中の不良達が5人、裏庭でタバコを吸っている所に
出くわした…









といっても、運が悪かったのは…
雲雀ではなく、不良達のほうなのだが――。




今後、自分の拠点として使う予定の並中校内で、
決して上品とは言えない態度で
校内の一部を…汚している彼ら…

地面には、ペットボトルやタバコの吸い殻が、
だらしなく投げ捨てられている――。



((折角来たんだし…少し“掃除”して帰ろう))

…そう考えた雲雀は、その不良達に声をかけた…






「――ねぇ、君達。僕の学校で…何してるの?」



「…あ?…なんだ?テメェ?」

目つきの悪い…
如何にも不良という風貌の彼らが、雲雀を見つつ…




バカにしたような態度で、 

「……オレ達に、なんか用か?」 

ニヤケながら言う。





「僕の学校で、何をしてるのか、…って聞いたんだよ。」




「はっ?…僕の学校?…何言ってんだ、テメェ?」  

「コイツ…頭オカシイのか?」

…ゲラゲラ笑う声が下品で…雲雀を苛々させる。







不良達の1人が、雲雀に近づき…
タバコを向けながら、ヘラヘラだらしなく話し掛けた…

「オレ達を…誰だと思ってんの?」


「………。」




「――お前、新入生か、転校生か?」
「…だったら知らないだろうから、教えてやるよ…」

「オレ達は、並中の……」


そう言いかけた所で…
言葉が途切れ、急にドサッとその男が地面に倒れた…。


(…っ!?…)




「不愉快だ。――僕に、タバコの煙を向けないでくれる?」





驚いて見ると、武器らしきものを持った…
その少年が不愉快そうな顔をしつつ立っている。

どうやら、気が付かない内に、
武器(確かトンファーという名の物だ)を出し一撃で倒したらしい。

しかし、一体何時の間にヤッたのだ?




「なッ!…テメェ、何しやがるッ!」



「…それに、僕の前で群れないで。」

…ヒュッ!ガツッ!!…


――言ったが早いか
雲雀の前にいた2人が、ほぼ同時に地に伏していた…。



(…っ!!!…)



まだ無事でいる残りの2人の不良が、
声にならない驚愕の声を上げる。

やはり、眼にも止まらぬ速さで仕留めたのは、
見間違いではないらしい。



「…お、お前ッ!一体何者だッ!!」
「…お前が、草壁かッ!?」


「…草壁?――誰、それ?」





「おい、落ち着け…」
「草壁は、もっとデカイぞ!…こいつは…違うぞ…。」


「ねぇ、…その、草壁というのは…強いのかい?」





「お前…あの有名な草壁哲矢を知らないのか?」
「この辺り一体のガキ共を纏める…ガキ大将だ!」
「今年の春、並中に入学予定だと聞いているが…アイツは身体もデカイし力も強い」



「――へぇ、少しは咬み殺し甲斐のある奴が居そうだね。」

雲雀が、二ヤリと薄笑いをしつつ
ぺロリと舌舐めずりする…。






それを見た不良2人は…
背中にゾクリと寒気が走るのを感じた…。


―― 己の本能(野生の勘)が告げている。

一見だたの華奢な少年にしか見えないが…
…コイツは強い…。






……これは、ヤバイぞ……



雲雀の様子に、悪寒を感じた2人が逃げようとした、
…その時…




…(フッ)…

「――逃がさないよ。」

…ヒュンッ!!…



その声と共に、風を切る鋭い音がし…
残っていた最後の2人の不良が…


……ドサリッと、裏庭の地面に倒れ込んだ……











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