[携帯モード] [URL送信]
闘神降臨 15





こうして、入学前にも関わらず、

雲雀恭弥は――並中の風紀委員長となった。





+++++



++





全身に、返り血を浴びた少年が…
ゆっくりと、教職員のいた場所から離れるように歩いて行く。

その様子を、こっそり見ていた草壁達は…
未だに誰ひとり、口も利けず…
ただただ、様子を見ているだけだった…。



どうやら、校長と何か話をしていたらしいが…
内容までは聞き取れなかったし、
一体何の為に、教師達に声を掛けたのかも疑問だった。







…と、ふと…
雲雀が立ち止り…自分達のいる方向を見た…。


ドキリッ!として固まるメンバー。





…こっそり見ていたのが、バレたのだろうか…?


だが…あのヒバリの位置からでは
こちらは良く見えない筈だ…

そう、自分達に言い聞かせ…心を落ち着かせようとする…







……が……


「…さっきから、そこで覗き見をしているのは、…誰?」



((…っ!?…))




「もしかして…草壁哲矢かい?」




((…!!?…)) 
((どうして、オレ達の事を知ってるんだ!?))




メンバーが一斉に、草壁に不安そうな顔を向けた。
ココは、どうでるべきか…?

無視するのも、逃げるのも…恐らく無理だ…
やはり…出て行くしか…あるまい…
  




覚悟を決めた草壁が
メンバーを見回し…ひとつ頷いて…校舎の影から出て行った。

他のメンバーも仕方なく…その後に続く。









「…どうして、オレを知ってる…のですか?」
 
思わず…敬語になった。 
 


どうも、この雲雀という少年相手には、
タメで話し難いオーラがある…

同級生だとは聞いていても…
タメでフランクに話せる雰囲気は…皆無だ…。





「…ふぅん…君が…草壁哲矢かい?」
「確かに…良い体格してるね。」

「かなり強いと、噂に聞いたんだけど…本当かい?」



「………。」
「オレ達の仲間の中では…強い方だと思います。」



「そう。試しに、僕と戦ってみる気はある?」



「いや、オレ程度じゃ、貴方には絶対に敵いません。」
「戦うだけ無駄です…」






…((フッ))…

「さっきのを見て…、気後れしたのかい?」



「…あんなの見たら…誰だって…戦う気なんて起きません。」







「そう。」
「まぁ…君は、あの連中より少しは賢いみたいだね。」

「余計な事に、巻き込まれないように、最初から最後まで」
「…そこでコッソリ見てるつもりだったようだし。」

「今だって、無謀な戦いを避けてる…」





そう言いつつ…ゆっくりと、
草壁達のほうに歩み寄って来た雲雀の姿は…

喧嘩慣れしている自分達ですら、身震いをする程の…姿。


全身が返り血で濡れている姿は…
まるで“鬼神”のようで、人ならぬ者のようで…

近くで見ると、本当に“恐ろしい”の一言だった。





そして、どうにも逆らえそうにない…圧倒的な威圧感と共に…
かなり抑えてはいるが…僅かに感じる殺気…。


このままでは危険だ…!!

と感じるが、逃げる事も出来ない…。



金縛りにあったように、
その場で、動けなくなった者までいた…。











[*前へ][次へ#]

15/18ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!