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闘神降臨 13




…気が付くと――

先程までは、さながら戦場のようであった校庭は…
無数の男達がうめき声を上げつつ転がってる…
不良共の墓場と化してした。






校庭の中央付近に…静かに佇む少年は
肩に掛けた学ランまでもがそのままで…

ついさっきまで、
この大勢の不良達を相手にしていたようには
…全く見えない。



無数の返り血を浴びてはいるが、
それ以外に、特別目立つような服装の乱れもないようだ…

それどころか…大きな呼吸の乱れもない。

ほんの少しだけ、息が荒くなっている程度のようだ…。






――驚異的な、身体能力と戦闘能力の持ち主らしい。

完全に普通の
…常人の域を超えている“超人”と言って良いだろう。








先ほどまでの喧騒が落ち着き、
校庭には、多数の呻き声が聞こえるばかり…

其処に穏やかな風が吹いて来て
…ゆっくりと…土埃が流されて行く。



少年は…
彼の武器であるトンファーについた血潮を振り払い…

周囲に倒れ無残に転がる者達を、
鋭い冷めた眼で見渡し…全員が地に伏しているのを確認すると…

ゆっくりとした足取りで、
教職員達がこっそりと、覗き見をしていた場所まで歩んで行った。









教職員達が隠れて見ていた校舎の中に
スタスタと入り、徐に…
静かな口調だが、低く威圧感を感じる声を発した…



「――この中に、校長はいるかい?」



「…っ!?…」
「…は、はいっ!…わ、私が校長です!」




少年に…急に呼ばれた校長は、声が上ずっている。 

…まぁ、無理も無いだろう。
あんな場面を見た後なのだ。




「僕は、――雲雀恭弥。」



「…ひ、雲雀君でありますか!」






「今年度から、この学校に通う事になったんだけど…」
「少し早いけど、今日から僕が…」
「この学校の…風紀委員長をしてあげるよ。」



「えっ!?…雲雀君が、風紀委員長に!?」



「そうだよ。…何か、問題でもあるの?」







「い、いえっ!あの、…しかし、入学式もまだだし…」
「各委員会の委員長は、3年生がやると決まってまして…」



「そう。」
「…じゃあ、僕は今日から3年生という事で良いよ。」



「…えっ…。いや、しかしそれは――」



「それでもまだ…、問題があるのかい?」




そこまで話した校長は…
眼の前の少年が、決して冗談などで…
“風紀委員長になる”と言っているのでは無いと…
その眼を見て気が付いた。


恐ろしい程に眼光が鋭く…
冷たく刺すような眼力のある眼からは、威圧感を感じる。

…それに――
全身から溢れる、他を圧倒して平伏させるような…
自信に満ちたオーラに気圧される…













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あきゅろす。
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