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闘神降臨 11




一部始終をみていた、教職員達が思わず目を背けたくなる中、
次々に雄たけびのような声、
または悲鳴のような声が聞こえて来た。

土埃がひどく上がり、良く見えない程だが…
よくよく眼を凝らすと、見えて来たのは…





…それは…


―― 誰もが…唖然とする光景だった ――






まるで、剣舞でも踊っているのかと思う…
舞でも舞っているかのごとき…無駄のない動き…

優美とも言える動作で…トンファーを使い、
次々と周りの猛者共を倒して行く

…学ランの少年の姿――




少年が狙いを定めた者達が、悲痛な悲鳴を上げ…
ドサリ、またドサリと倒れ込んで行く。

あれだけ多くの者達が取り囲み、
周囲から攻撃を受けているというのに…

あの少年には、全方向が完璧に見えているかのように
確実に前後左右の者達を仕留めている。



その表情は、うっすらと微笑を浮かべ
まるで…今の状況を楽しんでいるかのようだ…。








心配しつつ、事の成り行きを見ていた教職員達の間に
激しい衝撃が走りぬけた――。



たった1人で、それほど体格が良いわけでもない
…あの少年が…
並盛で悪(ワル)の猛者として知られてる連中を
次々に倒して行く様子…

とても正確な一撃で、確実に急所を仕留めているようだ。

まるで、映画のワンシーンでも見ているかのような
そんな錯覚に陥る――。






これは… 一体、何なのだろう…?


まるで、『 軍神 』…?




…いや≪≪ 闘神 ≫≫…の降臨というべきか…? 


――と、真剣に思わざるを得ない。







芸術的ですらある優雅な動きで、
次々に急所を捉え、たった一撃で、あの猛者共を倒していく様は…

事前に稽古を充分に積んだ、
映画やドラマの本番にも見える。


不良共が、本気で倒れ込んでおり、
時折…血飛沫らしきモノが飛んでいる所を見なければ――

映画かドラマの撮影か?と…
誰もが思うだろう。

それ程までに、完璧で間違いがない攻撃なのだ。







――なんて強さ、…なのだろうか!?


“ 闘いの申し子 ”のような…この少年は…


一体、何者だろう…。








余裕の表情で、次々に不良共を倒して行く少年を見て
…今度は、悪寒が走る…




今年の春は、草壁と言い、この少年と言い……


―とんでも無い連中が、入学して来るようだ―











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あきゅろす。
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