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闘神降臨 10




集まっている不良達の中でも、
年長組のリーダー格だと思われる男がひとり、
ゆっくりとした足取りで…少年に近寄って行った。




予想より、だいぶ華奢で細く…
見た目では、とてもそんなに強い奴だとは思えない為…

…どこか、迷いつつ聞く…


「…お前が、“ ヒバリ・キョウヤ ”か?」



「………。」

だが、少年は楽しそうな笑みを少し浮かべた…
余裕の表情のまま、無言だ。




この大人数を前にして、この落ち着き。


……確かに、只者では無さそうだ……





「テメェは少し調子に乗り過ぎたな…。」
「今日は、年長の者に対する態度ってもんを、教えてやるゼ?」


周囲を囲む不良達から、
クスクス・ゲラゲラと下品な笑い声が聞こえて来る。









どこか、嬉しそうな表情にも見える微笑を浮かべ…
落ち着いた口調で、
雲雀が静かに話を始める――。


「今日は随分と大勢で群れてるね。」
「…近隣の仲間でも、掻き集めたのかい?」

「僕は、弱くて群れる草食動物を見ると…咬み殺したくなるんだ。」




「――はぁ?草食動物?咬み殺したい?」
「…テメェ、何言ってんだぁ?」 

「やっぱ、少し頭がオカシイみたいだな?」




「僕の前で、群れるな…と、先日も言った筈だ。」




「なぁ、お前…。――この人数が眼に入らねぇのか?」

小馬鹿にしたように、雲雀の周囲をぐるりと
ゆっくり周りながら話すリーダーの男。







「眼に入っているから、ムカついて…」
「…咬み殺したいんだ…」

「それより、これだけ居るんだ…」
「――少しは、骨のある奴もいるんだろうね?」

「この間みたいに一瞬で終わるなんて…つまらないからね。」





卑下た笑みのリーダーが、ニタニタ笑いつつ話す。

「オメェ…、ココに居るのは…」
「中坊共だけじゃねぇって、…気が付かないのか?」

「今日は、その道のプロと言ってもイイ連中もいるんだゼ?」
「…オレみたいになっ!」





クスリと笑みを零し、
雲雀が如何にも楽しそうに嬉しそうに…眼を少し細めた。


「―― そう、それは…楽しみだ。」
 



「ハッ!」
「そんなに余裕ぶっこいていられるのも、今の内だぞっ!」


自分達の勝利を信じて疑わない、
その男は勝ち誇ったように話す…が…






少年は、相変わらず落ち着いたままだ――。


「じゃあ、そろそろ…はじめようか…。」

「――覚悟はいいかい?」







「テメェ! …その減らず口を利けなくしてやるっ!」


何処までも、冷静な態度を崩さない少年に…
リーダーの男がキレたようだ…。

懐からナイフのような物を出し
…少年に向かって走りつつ切りかかる――。






「君…、さっきから煩いよ。」


と言うが早いか、少年の身体が素早く動き…
その男が倒され…ドサリと地に伏した。

あまりの早業っ!
一瞬の出来事で…何が起きたのか良く解らない…!





気が付いた時には、
“ヒバリ”の手に、先ほどまで無かったトンファーが握られており…

リーダーの男が、倒されていたのだっ――!



…その様子を見ていた不良共が、
一斉にどよめき騒ぎだす!




「テメェェッ!…生きて戻れると思うなよっ!!」



そう…1人の男が言うが早いか――

その場にいた不良の猛者共が、
そのたった1人の少年目掛けて、突進し攻撃を仕掛けた!







並中の校庭が…
あっと言う間に『戦場』と化す…


たった1人の少年相手に、
大袈裟過ぎる人数に武器などの準備…
色々な意味で信じられない。










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