闘神降臨 1 その名を聞けば… 恐怖のあまり、泣く子も黙ると言われている ――雲雀恭弥。 彼は…表社会は勿論、裏社会までをも牛耳る… 事実上の全並盛の支配者にして…並盛の秩序を自認する…、 ――“未だ中学生”の少年だ。 “雲雀恭弥”と聞けば…思いつく言葉は――、 最強最凶の恐怖の象徴、好戦的なバトルマニア、戦闘狂… 等々、怖い言葉ばかりだが… 見た目は華奢で…細身体系の彼は… 眼鏡をかけて、木陰などで静かに本でも読んでいれば、 “文学少年”と言っても通るような…容姿をしている。 鋭く冷たい眼光で、睨みをきかせたりしなければ… 整った顔立ちの容貌でもあり、さぞ女性達に騒がられるだろう。 ――だが、“人を見た目で判断してはいけない”… 彼と、一度でも対峙した事のある者ならば… 口を揃えて言うだろう――、 『アイツの外見に…騙されるなっ!!』 そう、彼は…超のつく、――要注意人物なのだ。 いや、……もっとハッキリ言えば…… 『 超 危 険 人 物 』…だ。 尤も…彼が一度、その牙をむき 全身から殺気を放つ姿に触れれば… 直接戦わずとも、彼が只者ではない事ぐらい、 誰にでも簡単に解るだろう… あの鋭い猛獣の牙のような殺気を己に向けられて、 普通にしていられる者は…決して多くない。 ――いや、殆ど居ないだろう…。 それ程までに…彼が全身に纏う空気は… 鋭く、良く磨かれた鋭利な刃物のようでもあり 彼に、関わろうとした者は… たちまち全身が切り裂かれるような… 鋭い殺気を惜しげもなく晒される事になる。 ……決して!!……、 興味本位などで、 迂闊(ウカツ)に近づいてはならない相手… ―― それが、雲雀恭弥という人物である。 [次へ#] [戻る] |