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* 最強育成計画 * <アラウディ> 1


※ご注意


★『時を重ねて』のシリーズ=【家族シリーズ】と
上記シリーズの番外編である『* 散歩 * <アラウディ>』
を先にお読み下さい。

※この作品は、上記の『散歩』の続編です。




★このお話にはシリーズのヒロインである雲雀さんの妻は登場しません。
★名前変換があるのは、2人の子供達だけとなります。



以上、ご了承ください。





以下、本編が始まります。



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もう、あれから数か月になるが…

先日、思いがけず雲雀恭弥の自宅に行き
そこで風呂に入った後に着流しに着替えたまま、
こちらに帰って来てしまった。

その為…今でもまだ、
僕の目の前に…雲雀恭弥に借りた「着流し」と「ゲタ」がある。



別に、このまま貰っておいても問題はないだろうけれど…
ふと…返しに行ってみるか…という気になった。

本当の所は“また、あのアップルパイを食べたい”と思ったのかもしれない。
…まぁ、本当の理由なんてどうでも良い。

暇潰しにもなるし…
取り敢えず、雲雀恭弥の自宅を訪ねてみる事にした。







…で…
先日、僕が“帰った場所”である庭の一角に
“現れて”来てみたのだけれど…人気(ひとけ)がない。

誰も居ないのだろうか…と思い周囲を見回してみる。
邸内に意識を向けても、人の気配が全くないようだ。

この屋敷に使用人がいるのかどうか知らないが…
どうやら、家族5人を含めた家人全員が、今の時間は留守にしているようだ。


どうしようか?と少し考えたが…
折角来たんだし、
誰かが帰宅するまで、この広い庭を散歩でもしている事にしよう。






雲雀恭弥の自宅の和風庭園は、
大変に広くて美しく調和されている。

先日はあまり気にしなかったのだが…
目の前の池は、思った以上に大きく奥行があった。
個人宅の池のレベルではなく、公共の公園並の広さがあるようだ。


その大きな池の中には、とても大きな魚がゆうゆうと泳いでいる。
確か、これは…錦鯉という種類だ。
世界中の鑑賞用の魚の中での最高級品だと聞いた事がある。

大きさや配色のデザインの美しさで値段は違うが、
大きいと一匹で数万以上〜数十万…
中には100万円を超える物もいると聞いて驚いた覚えがある。




少し覗き込んで見ていると…餌でもくれると思ったのだろうか、
数匹の錦鯉が僕の近くに寄って来たが
…どれも大変に大きく美しくて絵になる錦鯉ばかりだ。

…この池の鯉だけで、
きっと何百万も…いや、数千万位するのかもしれないな。





流石…事実上の並盛の支配者だけの事はあるな。
まぁ、今の彼は…並盛だけに影響力のある人物ではなく、
当然、広大な周辺地域で多大な力を持っている。


それに…
実は、世界に影響を与える程の人物になっているらしい。

尤も、ジョットに先日聞いた所では
『その事は、家族には内緒にしているらしいぞ』との事なので
妻も子供達も…
彼の本当の姿や、本当の凄さは知らないのだろう。








そんな事をぼんやりと考えつつ…広い邸内の庭を歩いてみる。

池の畔には、2か所の休憩所のような屋根と長椅子のある場所がある。
あれは…四阿(あずまや・東屋)という物だな。
西洋にも一部の国には
ガゼボという似たような物があるが…そっくりだ。


…ん?

あっちは、同じく池に面している建物だが、
少し様子が違うな…

そう思いつつ、その建物まで歩いて行ってみる。



建物の玄関のような所には『茶室』と札が掛かっていた。
…これは、“茶道”というお茶を飲む時に使う部屋だな…と思いつつ、
鍵がかかっていなかったので、
スライドになっているドアを開けて…中を覗いてみる。

中は、とてもシンプルに作られている上品な部屋だった。
想像通りに…最早、芸術品にしか見えないような
美しいお茶の道具らしき物が置かれている。


その茶室は、外からも歩いていけるが…
先日、僕が通された和室がある方面から渡り廊下が通されており、
それを通っても行けるようになっている。








茶室を出た後、更に…ぶらぶら歩いていると…
今度は、恐らく裏庭と言われる部分…
つまり先日の客間のある位置からは見えない部分に来た。

そこは、先ほどまでの完璧な和風庭園とはかなり様子が違う。
少々洋風になっていて…綺麗な青々とした芝生が広場を作っている。

その周囲には、良く手入れをされた花壇もあり、
美しい花が色とりどりに咲き乱れていた。



裏庭の更に奥は、どうやら…
数台分の駐車スペースになっているガレージがあるようだ。
玄関前の車寄せで車を降りて…
車を実際にとめるスペースは、こちらの駐車場なのだろう。




その横には物置や倉庫ではないかと推測出来る建物がある。

ん?でも…建物が2つあるし、
1つは何かの倉庫だとしてもあまりに大きい。

…あれは何だろう?






そんな疑問を持って、その2つの建物の方に歩いて行く。

小さ目の建物(と言っても十分に大きい)は、
想像通りに物置又は倉庫と思われる建物だった。
庭の手入れをする道具などが綺麗に整頓されて置かれている。



そして、それよりかなり大きい謎の建物は…
見るからに頑丈そうで丈夫そうな造りだ。
ドアも…これは明らかに特注品のドアだろうと思える頑丈そうな物だ。


興味津々で、
そのやけに重いドアをゆっくりと開いて見た。
















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あきゅろす。
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