[通常モード] [URL送信]
過去拍手<極秘データ>2




ノックもしないでドアを開け、部屋の中に飛び込む。


息が整うのも待てずに…声を発する。



「…っ…スマホからっ…有力情報が見つかったのか!?」






「…………。」

大急ぎで走って来たオレを見た部下達が…
微妙な顔をしてオレを見る。


…ん…?

一体どうしたのだ?

直ぐに『これですっ!』と意気込んで見せるだろうと
思っていたのに反応が変だ。




「どうした?何が見つかったんだ?」



再度、促すと…
スマホ解析チームのリーダーがオレの前に進み出て…


「わざわざお越し頂き恐縮です。」
「…あの…、見つかったデータの事を…」
「どう報告すれば良いか迷いまして…」
「それで、その…ご相談したいと思いまして。」



「…?…」
「何があったんだ?…見せてくれ。」







「新しく見つかったのは、全て写真データです。」
「先ずこちらは…」
「普通の写真フォルダーの中にあった物です。」

「今回の任務中に…」
「ちょっとした観光などをした記念に写した写真だと思われます。」
「ドイツ、英国、イタリアのものも少しだけあります。」



A4の紙数枚に、データ内容を小さく印刷した物を渡されて見てみる。
それは…ごく普通の観光写真のような物だった。

その殆どは、優衣さんが…
自分で撮影したと思われる建物や風景の写真だ。

中には珍しい事に彼女と恭さんが一緒に写っている物もある。
きっと、二人を見掛けた人が
親切心で撮ってくれた物なのだろう。


普段の恭さんは、写真なんて撮らせてくれる人ではない。
でも今は、一般人として旅行中なので
渋々…写真撮影にも応じたのだろう。







だが…これらの写真をザッと見ても…特に変な所もないし
わざわざオレに相談するような内容ではない。


そう思っていると…


「そして…」
「それらと別の場所の…秘密ホルダーがありまして…」
「暗証番号を設置して…特別に厳重に保管されていた物が…こちらです。」



…?…。

秘密ホルダー?



ワザワザ別に保管していたという事か…


そう思いつつ…
同じくA4用紙に小さく印刷された写真データを見る。



「…っ!…」



う、う〜ん…。


…こ、これは…スゴイな…。



「…………。」



思わず…無言になって…そのデータを凝視してしまった。



何も語らないオレに部下が
…恐る恐るという感じで声を掛ける。

「コレの存在を…報告するべきか、黙っておくべきか…迷いまして。」
「どうするべきかご相談したかったのです。」










[*前へ][次へ#]

2/4ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!