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虹の彼方 51






自室に戻り、
お風呂の準備をしつつ、ソファーでホッと一息入れた所で
部屋がノックされ、出て見ると草壁さんだった。




昼間に買い物をした
ヒバードグッズをわざわざ持って来てくれたのだ。

丁寧にお礼を言って受け取ると、
次に…
綺麗な明るめの紫色のスマートホンを差し出された。







「これは、今度の欧州行きの仕事の為のスマートホンです。」
「当然、海外でも国内でも全ての機能が問題なく使える仕様です。」
「電波の感知能力を上げている特別仕様ですので、少々田舎に行っても通じます。」


「それと…万が一の時の為に…発信機が内蔵されており、」
「藤宮さんの現在地が、ピンポイントで解るようになっています。」

「他には…あまり必要ないとは思いますが…」
「ロシア語やスカンジナビア地方の言語やギリシャ語など…藤宮さんが使えない言語の翻訳機能もあります。」




「出来れば今日から早速使用して…出発までの一週間の間に操作に慣れておいて下さい。」
「今、お使いのスマートホンは電源を切り、日本に置いて行って頂きますので。」




「それから…そのスマートホンには、恭さんと私の連絡先を既に登録しています。」
「他には、沢田さんとリボーンさんの連絡先を入れています。」
「…そして…それ以外の万が一の連絡先としてキャバッローネのディーノ氏の分も。」

「恭さんはK、私はT、沢田さんはS、リボーンさんはR、ディーノさんはD。」
「…と氏名が解らないようにしています。」

「万が一外部に漏れても大丈夫な連絡先ですが…念の為、名前は登録しておりません。」
「これ以外の連絡先は、一切登録しないようにして下さい。」



「但し、例外的に…今回の仕事で接触が必要な相手については…登録可です。」
「例えばパーティで知り合って、連絡先を交換するような場合には…」
「このスマートホンの電話番号とメールアドレスを先方と交換して下さい。」








そう説明を受け、
詳しい操作説明書と共に渡されたスマートホンには…
…既に…
昼間に買ったヒバードのストラップが取り付けられていた。



「はい。分かりました。」


…しっかり頷いて受け取る。








明るい紫色とヒバードストラップの黄色が…
可愛い印象のスマートホン。

何だか…
スパイ映画に出てくるような小道具を受け取った気分だ。

見た目には、ごく普通のスマートホンだけど…
発信機もつけていて、私の位置が解ると言っていたし、
電波の感知能力も上げているとの説明だった。

実際に…所謂「小道具」というべき物なのだろう。



一週間…しっかり説明書を読みこんで、
使い熟せるようになっておこう。






…あぁ、それから…出発直前に、再度…
欧州関連のニュースも確認して頭に入れておこう。

他にも…暫く使っていなかった言語の確認もして。


それに…………。

………。




出発までの残り一週間…
やっておくべき事を色々と考えつつ
準備の出来たお風呂に入ろうと…浴室に向かった。

















第3章<プロファイリング期間> 完



++++++++++++++++++++++




以上、第3章はここで終わりです。
次回より第4章に突入します。



舞台がいよいよ欧州に移り…任務本番です。




※「過去拍手の部屋」に、
この後にお読み頂けるお話があります。
宜しければ、どうぞ。



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