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虹の彼方 47





まるで夢のようだと感じる…お茶の時間だった。




今まで何度もお茶を点てたり
頂いたりした機会はあるけれど…今日のは特別、だったな。

未だに不思議な感動に支配された状態で
お道具類を片付けた。







その日は、そのまま…ヒバードと遊んだりしつつ
雲雀さんと色々な話に花を咲かせ
最終的には、お夕飯も一緒に頂く事になった。

夕飯の時に、一緒に日本酒も出され…
今度は私も少しだけ頂く。

前回、料亭でお酒が出た時には手酌で呑んでいた雲雀さんも
今回は、私のお酌を受けてくれた。




初めて一緒に買い物に行った時に比べれば、かなり慣れて…
ほぼ普通に会話が出来るようになった。
お酌をしようとしても
緊張のあまり手元が狂うような事もなくなったし。

我ながら…
この短期間で良くここまで慣れたものだと思う。



雲雀さんと一緒に過ごすのは買い物の日を入れ…
休日3日分を足すと4日目だ。
たった4日間で…
ここまで慣れるとは自分でも思っていなかったから
少し驚いたけれど…何にしろ、良かった。


改めて…自分の順応力の高さを認識した。
そして同時に…
リボーンの観察能力というか相手の能力を察する凄さも再確認した。







この日は、今後の休日で
一緒に過ごす予定の内容を簡単に教えて貰い
又、私が出発までにしておくことの確認もした。

欧州の時事を勉強しておく事や、
しばらく使っていなかった言語について確認しておく事…
着物の着付けを、もう少し早く出来るようになっておく事など
雲雀さんから、幾つかの注文がついた。





あまり遅くなる前に…と帰され、
自室のお風呂にゆっくり入りつつ考え事をする。

先程聞いた今後の予定や、
出発までにしておく事を反芻しつつ
一日の時間のやりくりをどうするか…考え込む。



出発まで残り後、約一ヶ月。

ボンゴレを留守にする間の準備もあるし
…忙しい一ヶ月になりそうだ。


さて…やるべき事を粛々とやっていきますか…。

自分に自分で気合を入れた所で眠気が襲って来た。
今日はもう寝たほうが良さそうだ…





ベッドに入り、
昼間見た雲雀さんのお茶を点てる場面を思い浮かべて
幸せな気分で、一日を閉じた…。








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あれから…あっと言う間に3週間が過ぎた。


予想通りにバタバタした毎日ではあるけれど…
とても充実した日々。

ツナや皆は、体調の事などを心配してくれるけれど
辛いと思った事はない。
目的があり、それに向かって一生懸命になるというのは…好きだ。
疲労感よりも満足感の方が大きいように思う。




休日は全て雲雀さんと過ごす事になっていたが
最初の連休以外の連休が2回あった時に、
それぞれ1日を「明日は来なくて良い」と言われ『お休み』を2日くれた。
予定より慣れるのが早かったので、
連休の時は1日休んでも良いという事になったのだ。


思い掛けずに貰った休日を使い、ちょっとした自分の買い物に行ったり
欧州の事で調べる時間に充てる事が出来たりして、
…丁度良かった。







そして…明日で、欧州出発前の休日は最後となる。

明日は、大変に珍しい事に…
雲雀さんと一緒に並盛の繁華街に行く予定になっている。
平日とはいえ、駅前の繁華街は人が多いと思うのだけど…
雲雀さんは大丈夫なのだろうか。



予定を決めたのは雲雀さんなのだから…
ダメな訳はないだろうと思いつつ、少しだけ心配になる。
でも今後、欧州に行きパーティに参加したりすれば
…当然、多くの人がいる訳で。


もしかしたら、そんな事も考えて…
『雲雀さんも大勢の人が居る状態に慣れる』つもりなのだろうか?
と…勝手にそんな憶測をしたりした。







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あきゅろす。
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