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虹の彼方 37


先程使用した、お道具類を洗い…
再び雲雀さんの居るお部屋まで戻る。

元あった場所に道具類を片付けてしまうと
…再び、暇になってしまった。




…どうやって、時間潰しをしようか?

そう思いつつ、座布団に戻り…取り敢えず座った。






開け放している襖の向こうから、
爽やかな風が僅かに吹いて来た…

地下の筈なのに…まるで地上と同じように感じる。


こんなに爽やかな人工の風までもを
再現しているなんて…凄い技術力だと思う。

万博か何かで…
“日本の最高技術を結集したら、ここまで出来る”
…という感じの

大評判になる展示があったりするけど…
それが、ごく普通にこの風紀財団では使われている
…という感じ。




ボンゴレのアジトでも、空調では苦労をしている。
とても大事な事だし…
万が一、空調設備が故障でもすれば、下手をすれば命に係わる。

『此処は、最高の技術で空調しているんですよ!』
…とジャンニーニに自慢げに説明された記憶があるけど…

正直、風紀財団の空調設備の方が、
上のような…気もする。

ジャンニーニに言うとショボンとなりそうなので、言わないけれど。
きっと…他の皆も、そうなのだろうな…(苦笑)








そんな事を思いつつ…
綺麗なお庭の方をぼんやりと眺めていたら…



…………。


…!っ…



…え。

…何、あれ…?




イキナリ何かが…此方に向かって飛んできた。

急な事で…驚いてみている私の目の前で…
更に驚くべき事が起こった。






…その…飛んできた何かが…



あろう事か…

何と…雲雀さんの、頭の上に…ポスンと乗ったのだ。








……えっ……



その場面を見て…思わず…固まる。






でも、雲雀さんは…
全く動じる事なく、先ほどのまま仕事をしている。

あの雲雀さんが、
自分の頭に何かが乗った事に気が付かない、
…なんて事は、有り得ない事だ。



…という事は…つまり。

これって…“何時もの事”という感じであり、
騒ぐ事ではない…という事なのだろうか?








……………。


落ち着く為に、一旦…密かに深呼吸をする。



…良く見ると、
今来て、雲雀さんの頭上に着地したのはヒバードのようだ。

つまり…
仕事中の雲雀さんの頭に、ヒバードが乗っている状態。





ちょっ!

……これって……




…すごく…凄くっ!
シュールで…可愛いのですがっ!





あの…雲雀さんの頭に…
黄色いヒバードがちょこんと乗ってて…

その事に全く動じる事なく、
“ヒバードを頭に乗せたまま普通にお仕事をしている雲雀さんの図”
…なんてっ!





…なんて、なんて…


可愛いのっ!!








見た事も、想像した事すらもない…
何とも可愛らしい場面に…顔が綻ぶ。

…というか、正確にはニヤケてしまう…。




以前、雲雀さんと一緒に居る所を見たことのある、
可愛い鳥…ヒバード。

初めて見た時にも、
そのキュートさにキュンとしたのだけど…

今の、この場面は…
表現のしようが無いと思う程に…キュンキュンする!







リボーンから
『ヒバリは、小動物が好きらしいぞ。』
と聞いた事はある。

聞いた時は、全く想像出来なかったけれど…
その後、一度だけヒバードを連れている雲雀さんを見る機会があり
その時に初めて
『本当の事だったんだ…』と納得したものだった。


それ程…
あの雲雀さんが、小動物が好きな場面なんて
…想像出来なかったのだ。





一緒に連れている…
というだけで充分に、衝撃だったのに…

今の…この場面は…何?



何なの…
この、あまりに可愛い構図は!

『ちょっと…写メを撮っても良いですか?』
と…言いたい。



物凄く…言いたい!

…けれど…当然ながら、そんな事は言える筈もなく。

心の中に、その気持ちを仕舞って我慢をしつつ、
…様子を見る。









あまりに私が凝視をしていた為か、
雲雀さんが気が付いて…私の方に怪訝な目を向けて見る。

思いっ切りニヤケている顔を隠す為に、
大急ぎで下を向いた。






…けれど…




「…何、ニヤケているの。」




と、雲雀さんには…しっかりバレていた。






…え、ええと…どうしよう…










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