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虹の彼方 30



あれから、バタバタと日にちが過ぎ…
あっと言う間に、木曜日の朝。



遅刻には煩いと聞いているので、決して遅れないように…
目的の部屋に、約10分前には確実に着ける計算をした上で

風紀財団と、
ボンゴレアジトを結ぶ通路がある地区へ向かった。






風紀財団の敷地内は、
セキュリティーチェックが厳重に敷かれ、通常は簡単には入れない。

内部には、何十にもチェック機能があり、
監視カメラが、敷地内に沢山あるのは当然…
イザという時の、罠などの仕掛けも半端ないと聞く。

基本的には、風紀財団員として登録された人でないと
決して入れない場所である。







それは、ボンゴレのメンバーであろうと
…例え幹部であろうと…
守護者や…ボスのツナであろうと、例外ではない。

風紀財団との間には『不可侵規定』が結ばれており…
ごくゆるく繋がりはあるものの…
『非常時以外には関わらない』のが原則とされている。



雲雀さんは…

「ボンゴレ?…僕には関係ないね。」

「僕は、僕の好きに行動する。…君達に干渉される筋合いはない。」

というスタンスを、一貫して貫いている。





当然ながら…ツナの事も自分のボスとは認めていない。
(表立っては認めてないけど…)
(心の中では、一応一目置いてる気はするけど…どうなんだろう?)


“別組織のトップ同士の付き合い”
…という姿勢を、決して崩す事はない。

あくまでも…対等の立場として接している。







そしてツナも…そんな雲雀さんに対して
『自分がボスだから言う事を聞け』という態度は取らない。

不可侵規定を尊重し…決して、風紀財団の事には口出しはしないし、
雲雀さん本人にも…
あれこれ指図をするような事は…絶対にしない。


いや寧ろ…
学校の先輩であった事等が、影響しているのだろうか…
逆に…低姿勢で、すごく丁寧ですらある。




…そう…
ツナは…雲雀さんに対しては物凄く気を遣っている。

優しく、遠慮がちな性格のツナは…他の人に対しても
“ボスだから”という理由で威張るような事はしないし
年上の方々には、基本的に丁寧な対応が多い…

まぁ、一部例外もあるけど。








例外のひとつ…
例えば…雲雀さんと同じ守護者の骸さん。

霧の守護者である、
六道骸さんの事は「骸」と名前で呼び捨てにするし
話し方も…正直丁寧ではない。

雲雀さんとは…まるで逆の扱いだ。





私も…最初は「六道さん」と呼んでいたのだけど…
ツナやリボーンを始めとし、獄寺さんも山本さんまでもが…
皆さんが揃って
『アイツは…骸!で充分だ』…なんて言うので…

何時の間にか…「骸さん」になっていた。
(呼び捨てにするのは…流石にちょっとね)

(そんな骸さんも…)
(“自分の目的の為にボンゴレを利用しているだけ”と豪語してて…)
(決して、簡単にツナの言う事を聞く訳ではなく…)
(寧ろ…色々と厄介事を起こす事が多いのだけど/ 汗)



どうやら…私が知らない過去に…
彼らの学生時代に、何かがあったようで…
その時の影響が、今の関係にも続いているようだ。









…故に…
情報収集力に優れた風紀財団の力を借りたい…
又は、雲雀さんの力を個人的に借りたい…

というような案件が発生すると…
『お願い』や『外部からの仕事の依頼』という形で接する。




そして、当然ながら…何かお願いなり、依頼をする度に
『それなりの報酬』も発生する。

が、それが全て金銭で済むとは限らず
…時には様々な“条件”が付いてくる…



例えば…
『ボンゴレが掴んでいる情報の提供をして』とか…
『リボーンやツナと“遊び”たい』とか…
まぁ、その時によって様々な内容の物だけど。

(雲雀さんと“遊ぶ”度にボンゴレの施設の一部が破壊され…)
(その修理費が半端ないので…結構困る条件なのよね/汗)





尤も…低姿勢でお願いしたからと言って
雲雀さんが、依頼を受けてくれるとは限らないし…
(その時の気分や都合で…断られる事もある)

毎回、何かある毎に、結構…交渉が大変なので、
当然のように…
“本当に必要な時”以外で、風紀財団にコンタクトを取る事はない。

よって…連絡を取り合うのは、年に数回程度が普通だ。







そんな感じで…雲雀さんという人は…

『なにものにも囚われず、我が道をいく孤高の浮雲』


…と、言われる通りの…

“雲の守護者ぶりを体現している人”でもある。










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あきゅろす。
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