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虹の彼方 226 【題名について】<ニックその後><幾転生の縁>



【題名について】



『虹の彼方』というタイトルに込めた想いについて、少し解説をします。

タイトルの読みは…そのまま「にじ の かなた」です。



多くの皆様が
どこかで一度は聞いた事があるのではないかと思うのですが

世界中の様々な地域や国で、

「虹の彼方(虹の向こう側)には、幸せ・幸福がある」
「虹を通り抜け、向こうに行くと理想郷=全ての人が幸福に暮らしている場所がある」

などという伝承・言い伝えや伝説があります。


※虹は天と地(この世とあの世)をつなぐ橋という言い方も多いです。
※一部では好ましくない伝承もありますが、
現代では吉兆として捉えられる事が多いです。




この物語は…ヒロイン優衣が…

自分の両親の事故死という痛ましく厳しい試練に逢いつつも
愚痴や恨みを持つような事をしないで
明るく前向きで、人に対して親切な気持ちを失わずに…

自分に出来る事を精一杯しつつ
誠実に一生懸命に生きて努力を重ねた結果…
更に幸福になれそうな扉が開いた(=好きな人と結婚する)

という場面に至るまでを書いた物語です。

雲雀さんとの恋愛が中心なので、分り難いとは思いますが
書かれていない背後に上記のような事があったとご想像下さい。


※つまり、虹の架かる場所まで、
自力で努力して歩いて行った…というイメージです。





他に…
虹は、あの世とこの世をつなく橋…という言い方をされている所から

『過去世から縁のあった仲間達と再び出逢った』
『そして、今世の新しい物語が紡がれている』

という、背後の設定も含んでいます。





更に…
こうして公開までする上で、別の想いも込めています。

それは…

『ご縁を頂き、私の物語を読んで頂いた皆様にも…同じように、素晴らしい未来が拓けますように』

『物語のヒロインのように、自分自身の努力の結果…幸福を掴んで頂きたい』

という想いです。




“どうか皆さまの未来も、光り輝く物でありますように…”
…と心から願って止みません。







木蓮



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<第5章のターゲット:ニックのその後>




優衣に手を出そうとした結果…
世にも恐ろしい経験をする事になった英国でのターゲットだったニック。

一般人の中で…あれ程までに
激しい雲雀の殺気を向けられた者は少ないので
ある意味、貴重な体験をしたひとり…と言う事も出来る。




ニックは、英国での仕事の終わりに雲雀の指示で「監視」が付いて以来
常に言動を風紀財団に監視される環境下にあった。

ニックや執事などの周囲の人間に気が付かれないように、
館への出入りの業者に上手く化けた者と
複数人の館で働く使用人を潜入させた上で、監視をさせている。




元来、小心者のニックは…
雲雀によって十分過ぎる程に脅された効果で…
あの時の事を口外するようなそぶりは一切なかった。

懲りたのか…
あれ程までに浮名を流し、遊びまわっていたのに
それも一切なくなり
ニックの行く末を、心から心配していた執事を大変喜ばせた。





素行が良くなり、
昔より真面目になったらしいという噂が英国社交界で広がると
元々の見栄えはそこそこ良く、
健全な経営をしている広い牧場などの資産もあるニックには
チラチラと結婚の話も持ち掛けられた。

ニックは散々に迷った挙句…
自分の事を良く知ってくれてる理解者のひとりの
幼馴染の従妹との結婚を決めて、
…心を入れ替え、妻を大事にする優しい夫になり
結婚の翌年に生まれた子供を大変に可愛がっているようだ。



そして子供が生まれて少しした頃…
もう良いだろうという事でその後は監視も解き、
一切の接触を絶った。







<第5章のターゲット・ニックのその後> 終わり


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<幾転生の縁>





とある場所から、とある人々が…
今までの雲雀恭弥と優衣に関わる者達を含む一連の流れを
…密かに見守っていた。

彼らは微笑ましい気持ちと、応援の気持ちを持って…
時に干渉したくなる気持ちを抑え、時にはハラハラしつつも、
長い時を耐え、地上の彼らを見守って来たのだった。


その中の1人…
冷たく冴え冴えとした光を放つアイスブルーの鋭い瞳に
鈍く輝く美しいプラチナブロンドの髪を持つ彼は
全く関心がないように装いつつも…
内心では少し気になり、自分で無理矢理に理由をつけては
こっそり見守っていたのを、
彼と長年の付き合いである仲間達は良く分かっていた。






…そして今日…
彼らが見守っている先に見えている光景は…

雲雀恭弥と優衣の子供が1歳の誕生日を迎えたので
そのお祝いを皆でワイワイとしている所だった。




大勢が自宅に押し掛けて来た為、嫌な顔をしつつも
…内心ではそんなに機嫌が悪くはない恭弥。

その隣で、皆の様子をニコニコしながら、
とても幸せそうに穏やかな顔で見ている優衣。



孫をあやそうとして…
逆に泣かれてしまって困惑顔の家光は、本気でオロオロしている。

その隣で
『お前の顔が気合いが入り過ぎてて怖いから泣かせるんだ』
と吐き捨てるように言っているリボーンは…
本当は孫を抱きたいのに、
自分が抱く事でも泣くかもしれないと思い…心の中で葛藤をしているようだ。

泣き出してしまった孫を抱っこして、
一生懸命に笑い掛けている奈々は完全に祖母の顔だ。



その隣では綱吉が妻と共に、
もうすぐ自分達の子供も生まれる事を恭弥の両親に報告をしている。

綱吉夫妻の報告をニコニコしながら聞いて、
二人に向かってお祝いの言葉を述べている恭弥の両親は、
大量に持って来た赤ちゃん用オモチャを手にしており、
今から孫を甘やかす気満々なのが見てとれる。





更に、開いている襖(ふすま)を挟んだ隣の部屋では…
草壁とディーノがお互いに
それぞれ自分の婚約者を紹介しつつ一緒に照れていて…
その二人をロマーリオがからかって笑っている。

同じ部屋の少し離れた場所では、
獄寺が“今後は綱吉家族の警護をもっと厳重にするべきだろうか”と
悶々と頭を悩ませていると…

隣から了平が
「極限に何とかなるから心配するな!」
…と獄寺の肩を叩き大きく笑う。

山本は庭に出て…
了平が一緒に連れて来ていた子供の相手をして遊んであげているようだ。







雨月「何とも…微笑ましくなる光景でござるな…。」



G「…あぁ。」



ナックル「こうして命が繋(つな)がれて行く光景を見るのは究極に良いものだな。」



ジョット「オレ達の…あの時代を懐かしく思い出すな。」



ランポウ「あの時の人間関係とそっくりな“配置”だものね。」



Dスペード「“私”に関しては少し違いますが…他は概ね似ている“関係”ですね。」



ナ「縁とは、切っても切れぬものだという事が良く分かる事例だな。」








G「“オレの相手”は、まだ結婚の決断が出来ねぇみてぇだな。」



雨「我ら二人は、今回は少し苦戦中でござる。」



ジ「そろそろ時が満ちると…オレには感じるぞ。」



ラ「ジョットが感じるって事は、もうすぐ進展があるんだねぇ…いいなぁ…」



ジ「ランポウはまだ学生だからな“出逢い”はもう少し先だ。」



ラ「別に学生の時に出逢いがあっても、オレ様は別に良いんだけどなぁ〜」



ナ「“今回のお前”が、出逢いの時期を遅くに設定してるんだから仕方ないだろう。」









ス「…貴方のお相手は、毎回あの方ですね。」



アラウディ「…………。」


D・スペードに声を掛けられたアラウディは無言のまま。








G「…そう言えば、そうだな。」



ナ「オレ達は、事情があって時々相手が変わるケースもあったのになぁ。」



雨「毎回同じ相手という訳には、行かないような事件が起こる事は案外多いでござる。」



ラ「もしかしてアラウディは案外とモテなくて…他の相手はいないから仕方なく…とか?」



ス「彼女以外の女性では、この性格に合わせるのは大変でしょうしねぇ。」
「…きっと他の方には、夫婦になるのを断られるのでしょう。」








ア「君達…うるさいよ。」



ラ「そ、そんな睨まくてもっ!…じょ、冗談だって!」



ス「おや…もしかして図星だったのですか?」








アラウディはD・スペードの方に鋭い一瞥を向けた後
…フッと視線を地上の彼らに向けて…



ア「僕は“あの子”以外の者と一緒になる気はない。」







ナ「時々相手を変えて新しい経験を積むのも…勉強になるものだぞ?」



ラ「もう何転生もしているのに、アラウディは一度も相手が変わらないってスゴイ事だものね。」



ジ「この二人は…それだけ深い深い縁で結ばれているという事だな。」



G「…そんな関係も…良いもんだ。」



雨「固い固い絆があるのでござるな。」









ア「幾転生しようとも…彼女には、ずっと僕の傍に居て貰うつもりだよ。」





アラウディがそう語りつつ…

とても優しい視線を向けた先には

優衣の…幸せそうな満ち足りた笑顔があった…。










<幾転生の縁> 終わり



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※この続きもあります。
虹の彼方は次の更新で最後です。












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