[携帯モード] [URL送信]
虹の彼方 222 【8章解説】<右腕の会>



◆第8章【未来への選択】の解説



この章では…鷹司綾子さんというライバルが登場し
「わたくしは恭弥さんの許嫁です」
と告げられた事により、優衣は大変に翻弄されます。

まさか相手が嘘を言っているとは思ってもいない優衣は
真剣に悩み苦しみ…自分がどうするべきなのか…悶々と考えます。



色々と散々に悩んだ末に彼女が選んだのは…
『恭弥さんの幸せに繋がるだろう』
と彼女的に判断した『自分が身を引く』という道でした。

元々、とても真面目な性格であり…祖父母や両親からの
『人様に後ろ指を指されるような事はしてはいけません』
(悪い事をすると自分の背後から指を指されて噂をされる、という所から)
(⇒陰口を言われる…という意味で使われる言葉です)
という教えがしっかり根付いており

『社会的な道義に反する行動はとってはならない』
と思っている為に、
“恭弥さんとお付き合いする事は、考え方によっては不倫に相当するかもしれない”
と考えて…自分の立場を清算するべきだと考えた部分もあります。





この時の優衣の心の根底にあったのは
『恭弥さんの幸せの為に自分はどうしたら良いか』
という発想でした。

自分の本音を抑え込んででも、
“愛する人の幸せの為になる行動”をしようと決断した所が、
優衣らしい判断であると思います。



それが“正しい判断であるかどうかは別”として…
「自分の為の行動。自分に利益がある行動。」
…ではなく
「恭弥さんと鷹司さんの為の行動をとろう。」
…とする所に優衣の本当の気質・性格が現れています。



少し別の表現で書きますと…
『自分の逆境に耐えようとした』
『人や運命を呪うような事はしなかった』
(※人=この場合は、鷹司さんや雲雀さん)

つまり…
『その行動が、彼女が徳のある人物である事を示している』
と言えます。





この性格に、更にもっと
「ちゃんとした智慧(知恵ではなく、もっと高度な智慧)」を
優衣が獲得できるように今後の人生で成長していけば
本当の意味で…
「徳のある人物」「大きな器の人物」になって行くだろうと思います。


今の彼女は…
まだ若く人生経験も浅く『智慧』と呼べる程の物が少ない状態ですが
根が素直で、しかも努力家なので、
今後の人生の中で多くの「智慧」を獲得した結果…
発想も行動も、そしてその結果も素晴らしい物に出来る人に成長するだろう…
という「将来の見込み」を織り込んだ章となっています。



◎情報=単純に知っているだけのレベル

◎知恵=情報を持っているだけではなく、
実際の場面で自分が使う事が出来る状態の知識

◎智慧=上記の知恵に、更に自己の経験や
高度な視点で見た一種の悟りのような達観した見識が加わり
人生を生きて行く上での指針とも呼べるレベルに「昇華」した物





★尚、これ以外の8章の解説を『管理人の呟き&お知らせ』の場所で
2014年8月30日の日付<「虹の彼方」8章の展開が気になっている方へ>
というタイトルで解説文を書いています。

詳しい事は、そちらをお読み頂きますと
上記の内容がより一層理解出来ると思いますので
お時間のある方は、お読み下さい。






++++++++++++++++++++++++++++++++++++++



<右腕の会>



◆並盛の某所で、
会合という名の飲み会中の…草壁、ロマーリオ、獄寺の腹心トリオ。



この3人は獄寺の命名による「右腕の会」のメンバーとして仲が良く、
『お互いの組織の為の親睦会』という名目で
時々飲み会をしては愚痴を言ったり慰めあったりして
最終的には『我がボス自慢』をして幕を閉じる…という事を時々している。


この会合の場の“話し合い”によって、
お互いの組織が融通し合うような事もある。

したがって単なる飲み会ではなく、
実際は重要な“情報共有”や“折衝(せっしょう)”の場も兼ねていた。

彼らにとっては、半分は仕事で…
もう半分は同じNo2の立場同士にしか解らない苦労を共有したり
知恵を分かち合う重要な会ともなっているのだ。






草壁(獄寺に向かって)「…先日の傷は、もう大丈夫なのか?」



獄寺「あぁ…たいした事は無かったし、もう大丈夫だ。」



ロマーリオ「40日に一度に、あんな激しいバトルをやってたら…傷が治る暇がなさそうだな。」



獄「今の所…致命的な傷を負った奴はいねーし、特に問題はねぇけどな。」







草「最後まで何とか全員が無事のまま終わる事を祈ってるが…最近、段々激しさが増していないか?」



ロ「オレも、そう感じてたぜ。」



獄「リボーンさんとヒバリは、最初から遠慮なんか殆どなかったけどな。」



草「最近では、沢田さんもかなり楽しそうに、以前より本気度が上がって闘ってるだろう?」



ロ「ボスもそうだぜ。次の回を楽しみにしてる程だ。」



草「お陰で恭さんの機嫌が良いままで助かってはいるが…この先が少し心配だな。」







獄「いざバトルが始まると…ついつい熱くなっちまうんだよな。」



草「オレは、毎回の参加者全員がとても楽しそうなのを少し意外に思ってる。」



獄「相手を倒す為じゃなく、自分の力試しって感じなのが良いんだろーな。」
「ヒバリだけじゃなく…オレ達にもストレス解消になってるしな。」



ロ「最初に、このバトルの話を聞いた時はどーなる事かと心配してたが…何とかなりそうだな。」








獄「場所の指定が、あの島だったのも大助かりだぜ。」



草「もしボンゴレのトレーニングルームでやってたら…今頃はアジトが無くなってただろうしなぁ。」



獄「あぁ…今までも相当に修繕費がかかってたからな。…実は密かに心配だったんだ。」



草「…毎回、苦労をかけてすまんな。」



獄「いや、そこは…色々とお互い様だしな。」



ロ「そうだぜ!」
「ボンゴレ、風紀財団、キャバッローネは切っても切れねぇ縁の仲なんだし。」



草「イタリア人なのに…良く、そんな言葉を知ってるな。」



ロ「ボスが誰かに教えて貰ったらしくてな…嬉しそうに教えてくれたぜ。」







草「恭さんと優衣さんの結婚によって、お互いの組織がより親密な間柄になるし…今後も宜しく頼む。」



獄「こちらこそ…これからも色々な“調整”で世話になるぜ。」



ロ「これからは今までより、風紀財団との交渉が少しは楽になるだろうなぁ。」



草「…そうだな。優衣さんがいるから…今でも既に少し助かってるところだ。」







獄「草壁を前にして言うのも何だけどな…最初は…どうして優衣の相手がヒバリなんだって、正直思ってた。」
「だが段々…結構似合ってるかもしれねぇって思うようになったぜ。」



ロ「…それはオレも同じだ。」
「ボスの嫁さんになってくれたらって、本気で考えた時期もあるんだがな。」
「今では…やっぱりあの二人が一番似合いだって思うようになったなぁ。」



草「オレは…欧州に行く計画立案の時点で恭さんの気持ちを知ってたんだ。」
「だから上手く行くように…数か月の間は祈るような気持ちだった。」







獄「…なぁ。万が一、上手く行かなくて…優衣がプロポーズを断る事態になってたら、」
「…ヒバリはどーするつもりだったんだ?」



草「恭さんの辞書には“失敗”という文字はないんだ。」



ロ「…ハハッ!らしいなぁ!」



獄「いやでも…仕事じゃねーんだし。」
「冷静に考えたら、ヒバリが失恋する可能性だってある筈だぜ?」



草「恭さんは、ある時点から優衣さんと自分は確かな縁がある…という確信を持ったそうなんだ。」



ロ「…縁がある?」



草「あぁ。…それも…具体的に“自分の結婚相手”としての縁を感じたそうだ。」



獄「ヒバリは妙に勘がイイからなぁ。」



ロ「その確信があった上で、あんな計画を立てたって事か?」



草「…そうだ。」



獄「リボーンさんといい、ヒバリといい…最初から全部織り込み済みで行動してたって事だな。」



ロ「それに一番振り回されたのが…ウチのボスって事か。」



草「…すまんな。…他の者には、言う訳には行かなかったんでな。」



ロ「あぁ、別に気にするな!最終的には、全てが丸く収まったんだしな!」



草「そう言って貰えると助かる。」






その後3人は…
雲雀と優衣の結婚が、今後のお互いの組織の為になる事を…心の底から祈りつつ
夜遅くまで楽しく呑み明かしたらしい。


数か月に一度に開催の今回の腹心達の「右腕の会」は、
こうして穏やかな内に幕を閉じた。










<右腕の会> 終わり




++++++++++++++++++++++++






[*前へ][次へ#]

12/17ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!