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虹の彼方 220 【6章解説】<クラウスその後>




◆第6章【思惑の交差点】の解説



このイタリアでの章は虹の彼方のお話の中の第一の山場です。
(※第二の山場は8章。)


優衣の両親が事故で亡くなった因縁の場所
(しかもポルポに殺されたも同然であった)が舞台であり。
ディーノさんやボンゴレのメンバーとも遭遇し…
この物語の中での鍵の1人であるリボーンとの絡みも多くありました。



ターゲットであるアレックス夫妻とパオロとは、
表に見えていない所で…
ポルポ・ファミリーというマフィア絡みでの関わりがあった間柄です。


一番古くは…先の小話に出て来たように

・アレックスの弟が殺され、闇に葬られた事件が昔にあり…
・その後、リボーンの依頼した仕事の関連で優衣の両親の事故があり
・それにアレックスが関わり…重要機密リストを隠し持つ事になり
・更に、その事でパオロがポルポに脅され、
・最後には、優衣が誘拐までされました。



本当に、因縁めいている…としか言い様のない展開ですが
雲雀さんは、優衣の事を調べている内に
この「負の因縁」とでも言うべき事態に何となく気が付いて
気になったので更に突っ込んで調べさせた上で
『その負の因縁を全て断ち切る』為に
…敢えて危険の伴うこの件をターゲットに選んでいます。

(ターゲットに選んだ時点では、)
(アレックスの弟が殺された詳しい経緯や相手は知らなかった。)
(相手がマフィアであるらしい事までは掴んでいました。)


雲雀さんが、背後の事情にやたら詳しかったのは、
そこまで徹底して調べさせていたからです。
全ては優衣の未来の為に…という事を考えての行動でした。






尚、物語の中に出てくるマフィア(ポルポ・中国マフィア両方)も
人身売買の話なども監獄島なども、
…実在のモデルが存在します。

私の奇想天外な空想ではなく、実際に似たような事件なり
場所なりがあるという事です。
(※全く同じではないです。モデルにしたダケです。)
(※かなり昔に聞いた話ですが…)

日本人が「金の卵」という話も本当だそうです。
(※その筋に詳しい方談)
特に日本人の若い女性と子供は「色々な方面で好まれています」
(そのままでも臓器だけでも高値なので)
人身売買組織にとっては、涎(よだれ)が出る相手だという事です。



最近の彼らの中の流行(はやり)は…
「某東南アジアの国の女性達を騙して半拉致して中国人に花嫁として売る」
という事のようで、そこそこ派手にやっているようですが

そんな中でも日本人女性を誘拐するチャンスがあれば…
当然、見逃す筈はない…
という位には「日本人女性は人気商品」です。





『事実は小説よりも奇なり』

などという言葉もございますが
…本当に…
この世では驚くべき事が数多く起こる事があります。

日本は世界的に見てもかなり安全な国ですが、
日本国内から拉致された方々が大勢いるのはご承知の通りです。
(お隣の半島の傍若無人な北の某国の拉致事件は皆様もご存じですよね)

それ以外にも…
過去にも、そして現代ですら誘拐事件が密かに起こっています。
殆どの件は公には流されないので知らない方が多いのですが
実際には、結構な数の事件が起こっています。



決して脅したい訳ではございませんが
…皆さまも…充分にお気を付け下さいませね。

日本だから絶対に安心とは、残念ながら言えません。
ましてや、海外は…言わずもがな…です。


日本・海外を問わずに“危機管理意識”は
個人個人が常にしっかり持っておく必要があります。
…それを決して、お忘れなく。




蛇足を含めた6章の解説でした。



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<第7章のターゲット:クラウスのその後>




雲雀と優衣のアドバイスにより、
再び妻と一緒に暮らす事が出来るようになったクラウス。

雲雀に助言された通りに、自分の仕事内容を整理し、
改めて自分自身の仕事を見直した結果
部下達を信頼して、もっと仕事を任せる事にした。

それにより、仕事を任された部下のヤル気も士気も上がり、
今まで以上に張り切って仕事をしてくれるようになって、
企業全体の業績は上向いて来ている。



また仕事を任せて時間的な余裕を作ったクラウス本人は、
より高度な判断の必要な仕事に
じっくり取り組む事が出来るようになり、
経営に安心感を持てるようになった。

勿論、プライベートの時間も意識して取るようにし
仕事が早く片付いた日には、一目散に自宅に帰るようにしている。



以前の仕事中毒だった時とは違って、
家族との時間も大切にするようになったクラウスに
最初は戸惑っていた彼の家族は…
クラウスの努力を認め、その心遣いに感謝を示し

「仕事が忙しい時には、無理をして早く帰らなくても良いのですよ。」

と妻に言わしめる程になっていた。






誰の目にも見える程に『彼は、本当に変わった!』と…
驚きと賞賛を持って言われるまでに
素晴しい“自己変革”を遂げたクラウス。


雲雀の助言通りに動いた結果が、
予想していた以上に効果絶大であった事で
クラウスは雲雀に対して、絶対的な信頼を寄せるようになり、
経営の事で迷いが出るとワザワザ雲雀に連絡を取って
…詳しいアドバイスを貰う…という関係になっていた。






クラウス「時間を取って申し訳ないが、少し相談に乗って貰っても良いですか?」



雲雀「今日の僕の仕事はもう終わってるから構わないよ。」



ク「…有難うございます。」
「実は、新規事業を立ち上げようと思っているのですが…色々と迷ってて…」



雲「新規事業の内容は?」



ク「今、考えているのは………。」




+++

++








ク「…なるほど!確かに…そうやれば上手く行きそうですね!」



雲「万が一、行き詰ったら…また相談して来なよ。」



ク「毎度毎度…僕では、到底思い付かない盲点を指摘して貰って本当に有難いです。」



雲「貴方は、やや頭が固いのが難点だよね。」



ク「確かに、そうなのかも知れないですが…。」
「貴方程に、縦横無尽に柔軟に…次々にアイデアを出せる人なんて…そうそう居ませんよ。」



雲「…そうかい?」



ク「僕は、一応欧州内では名前の知られた者なので、欧州中の有名事業家はだいたい知り合いですし親しくしていますが…」
「…貴方程の人には、今まで出逢った事がない。」



雲「…ふぅん。…みんな、そんなに頭が固いの。」



ク(…苦笑…)
「どちらかというと…貴方が群を抜いて優れているんだと思います。」



雲「…そう。」



褒められても、特に嬉しそうでも何でもない雲雀に
クラウスは内心で密かに苦笑。







ク「そうそう…家内との関係ですが、お陰様で順調です。」
「新婚当初より仲が良くなったかもしれない位に…とても良い関係になりました。」



雲「優衣が聞いたら喜ぶだろう。気にしていたから、彼女にも伝えておくよ。」



ク「ええ、是非お願いします。彼女にもお礼をお伝え下さい。」



雲「わかった。」







ク「今回も本当に助かりました。有難うございます。」
「このお礼は、何時も通りに貴方の仕事関連で返させて貰います。」



雲「複数国と軍事産業で深く結びつきのある貴方の会社の情報は、誰もが欲しがるような物が多い。」
「毎回、有益な情報を素早く提供して貰えて助かってるよ。」



ク「貴方に情報提供しても、悪用される事もないし…」
「他に情報を流出される事も絶対にない事が分っているので僕も安心して、情報を提供しているんです。」
「他の人が相手だったら…こんな事は決してしません。」



雲「貴方がくれる“危険な情報”を拡散させるような事は今後も絶対にないから安心して。」



ク「…はい、信じています。」
「では、本日はこれで…また何か情報が入ったらご連絡します。」



雲「…頼んだよ。」






こうして…
すっかりクラウスの経営コンサルタントのようになった
雲雀との電話を切った。

クラウスは、電話でアドバイスを貰いつつ
必死に書いたメモを改めて見詰めつつ…小さく溜息をつく。





(…以下クラウスの心の声…)



あの若さで…この智慧の数々か。

…彼は本当に凄いな。



僕の年齢の半分と少ししか生きていないのに…
こんなに凄い人物がいるなんて、
彼に出逢うまでは思っても居なかった。

通常は、生きている年数に応じた知恵が身につく物だが…
それを遥かに超えるほどに天才的だという事なのか。





最初に彼の正体を知った時は…
正直、厄介な人物に関わってしまったと思っていた。

だが…情報提供が完了した後に
場末のレストランでこっそり会い…
仕事上のアドバイスを貰った時は、素直に凄いと思った。


その時の僕の一番の課題を、
見事に言い当てただけでなく実に適切なアドバイスをしてくれた。

あの時の彼のアドバイスがなければ…
きっと、今のように
会社でも家庭でも全てが上手く行くような展開には
なっていなかっただろう。





彼には…一生涯、頭が上がらないな…。

いや…上がる必要もないな。
僕はもう、すっかり彼の熱烈なファンなんだし。



「…………。」



いや…少し、違うな。

ファンというレベルを超えて…尊敬する師のような感覚だ。




彼の部下のクサカベが…
彼の事を“尊崇している”と表現していたが
…その気持ちが良く分かる。

単なる尊敬を超えて…
ある種の憧れや畏怖のようなものも同時に感じる。



圧倒的で天才的で揺るぎ無いキョウヤ・ヒバリという
絶対的なカリスマ性に溢れた男を前にすると…
どこまでも彼に付いて行きたいという想いが
出てくるのが、とても良く分かる。



今の僕になら…彼の組織…フウキ財団の結束の強さや、
数億、数十億の金を積んでも、
1人も引き抜きを出来ない理由が…理解出来る。

たかが数十億の金で…あれ程の人物の傍を離れるなんて…
そんな勿体ない事はとても出来ない。

僕が彼の部下の立場だったら、きっと同じ事をするだろう。



「…………。」



僕もすっかり…彼に魅了されてしまったようだな…。

でもこの“引き込まれ感”は…何とも心地良い。




この気持ちを…キョウヤ・ヒバリ風に言えば…


ク「…悪くないね。」










<第7章のターゲット:クラウスのその後> 終わり




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