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虹の彼方 219 【4・5章解説】<結納の儀>





◆第4章【私は女優】の解説



この章では、本格的に欧州での仕事が始まりました。

ターゲットであるハンスは、
ドイツ人にしては親しみやすい性格であり
しかも大の日本好きの人物でしたが
一番最初の仕事で、このような「やり易い相手」だったのは、
勿論、雲雀さんの考えでそうしていました。

全ては優衣に仕事に慣れて貰う為、
そしてオーソドックスな成功体験を優衣にさせる為の
選択である事は言うまでもありません。




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◆第5章【狼と子羊】の解説



英国では、ニックという女たらしがターゲットになりましたが
これもワザワザそうしています。

雲雀さん的には内心で嫌だと思いつつも
『あまりに疎い優衣の為に』敢えてのチョイスです。

自分がある程度モテている自覚が全くない優衣ですが、
口で説明した程度では理解出来ないのが目に見えているので
…仕方なく…という感じです。



そして実際に…

「男性に口説かれる」
「目をつけられる」
「拉致までされ危険な目に合う」

という経験をした事で優衣は…
やっと!少し自覚をする事が出来ました。


英国での色々な経験のお陰で
「女性として気をつけなければならない事」
が数多くある事を、書物で知っていた以上に身に染みて感じ
理解する事が出来ました。
(※雲雀さんの寝室を訪ねた時のシーンも合わせて)


優衣の今後の人生の為にも“必要な経験”のひとつとして
一種の「必要悪」として…
嫌な気分になりつつも
物語のような状況を許していた雲雀さんでした。





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<結納の儀>





雲雀と優衣達が日本に帰国して、約3ヶ月後の大安吉日
…雲雀邸で、結納式(婚約式)が行われた。

相談の上、雲雀の希望で…
小人数で日本式の結納の儀を行う事にしたので
参加者は最低限の人数に抑えている。



当日の新郎側の参加者は…雲雀恭弥本人と、その両親の計3名。
新婦側は、優衣、沢田家光・奈々・綱吉、そして…リボーン。計5名。

結納の儀(結納式)の公式立会人として
ボンゴレ9代目、キャバッローネのディーノ。の計2名。
(※少し離れた廊下部分に草壁、獄寺、ロマーリオも控えて見守っている)

その場に居る全員が…和服の正装で参加している。





リボーンについて、雲雀の両親に説明している内容は…
優衣の親族が全員亡くなり天涯孤独になった後に
「後見人」となり暫く面倒を見ていたので
優衣にとっては、もう一人の義父という扱いの人物である
…という事で話をしている。


又、…立会人の説明は…
ボンゴレ9代目(イタリアの普通の会社の会長という事にしている)は、
沢田綱吉&優衣の会社の重要取引先のトップであると同時に
優衣の父親の家光の友人であるのでお願いした。
…という説明。


ディーノに関しては、
風紀財団との取引のあるイタリアの会社トップであると同時に
雲雀恭弥、沢田綱吉の2人と友人関係にある人物なのでお願いした。
…という事にしている。




因みに、二人共(リボーンも入れると3人も)イタリア人であるのは
「偶々、偶然」という言い訳だ。

ハッキリ言って、少々怪しい理由付けと言い訳であるが…
それが本当なのか調べるような事までする可能性があるのは
…雲雀父だけだけだろうし
雲雀父にならば、もし本当の事が分ったとしても問題ない
…という事で、この強引な言い訳を採用した。










きっちり閉められた襖(ふすま)を挟んで、
新郎側と新婦側が、隣同士の別々の部屋に座っている。

お互いに、襖の向こうの見えない相手の方向に
正面から向き合うような位置で…静かに開始を待つ。




美しく飾られた反物や水引などの結納品の隣に
…晴れやかな着物を纏い座っている雲雀と優衣。

雲雀恭弥の紋付羽織袴は、
黒に少しグレーが混じった色を基調としたシックで上品な着物。
優衣の衣装は、恭弥が用意した物で
淡い桜色が基調になっている華やかさと初々しさを感じる着物である。


やたらと広い和室なので…
背後に控えて座っている親族と、
雲雀恭弥・優衣との位置は少し離れている。







やがて時間になり、
高い音の出る小さな鈴がシャンシャンシャンと数度鳴らされ
それを合図に…
新郎側の襖を立会人の9代目とディーノが静かに開けた。



ゆっくりと襖が両側に開くと…
中央の座布団に座った
雲雀恭弥と優衣とが真正面から向かい合う形になる。

お互いに上品で美しい衣装に身を包んでいる相手の姿を認め
…小さく微笑み、二人の間に穏やかな空気が流れた。



親族は二人の背後の少し離れた位置に座っているので、
お互いに少々距離があり
相手の親族の顔が良く見えるような位置ではない事もあって
やや緊張感があるまま、その場にいる。





新郎側と新婦側の双方の全員が、お互いに静かに礼をした後に…
ボンゴレ9代目とディーノの二人が
事前に用意されていた口上を順番に読み上げる。

その間、他の者は一言も声を発せずに粛々と進む。


最後に雲雀家からの結納品の項目と…
それに対しての
沢田家からの結納返しの品目を読み上げた所で口上は終了。




9代目「これにて…雲雀家、沢田家、両家の結納の儀が終わり、…正式に、ご婚約が整いました。」
「まことに…おめでとうございます。」


9代目とディーノが双方に向かって一礼し
…結納の儀は無事に終わった。








その後は、2つ隣の和室に移動し用意されていた
会席料理のお祝い膳での食事会となった。


全員がお膳の前に座り準備が出来た所で…
雲雀父・母からの簡単な自己紹介を兼ねた挨拶。

その後に続けて…
家光・奈々も同じように簡単な自己紹介と挨拶をした後…
9代目とディーノから、
改めて両家へのお祝いの言葉が述べられた後に食事が始まった。





食事をしつつ…

隣同士で会話をする声がチラチラと聞こえてくる。






ツナ「ディーノさん、今日は有難うございました。」



ディーノ「…無事に終わってホッとしたぜ。こんなに緊張したのは初めてだ。」



ツ「実はオレも…こんな立派な結納式に出たのは初めてだし、…継承式の時と同じ位緊張してました。」



デ「日本では何でも静かにやるんだなぁ…。」
「イタリアなら、今頃は賑やかなパーティをするトコだな。」



ツ「その地域や、その家の風習によってもやり方に違いがありますよ。」
「普通は仲人さんが間に入ってやる事が多いけど…最近では仲人無しとか、専門業者にお願いする事も多いですね。」



デ「…そうなのか。今日のは雲雀家風ってコトか。」
「恭弥の実家が、こんなデカイ屋敷だってのにも驚いたぜ。」



ツ「…ですよね。」
「オレも…噂に聞いた事はあったけど来たのは初めてで驚きました。」



デ「恭弥の奴は…変に品がイイつーか、何しても下品にならねぇトコがあるなぁとは、前から思ってたんだが…。」
「この実家と、恭弥の両親に会ったら…それも納得したぜ。」



ツ「あぁ…それ分ります。オレも同じ事を思った事があります。」



デ「欧州で言ったら裕福な名門貴族か…又は…どっかの国の皇子(おうじ)って感じだな。」



ツ「雲雀家は名家で、並盛の大地主だし…」
「並盛という地域全体が実質ヒバリさんの完全統治下にあるから…正に、そんな感じですね。」






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家光「おっ〜こっちの料理もウマイなぁ〜」



リボーン「…おい、家光。…そんなにがっつくな。」



家「旨い物を旨いと言って食ってるだけだろー?」



リ「もう少し落ち着いて食え…ヒバリの父親を見て見ろ。」



家「オレに、あんな上品さを求めるような酷な事をするなよ…。」



リ「…優衣に嫌われても知らねぇぞ。」



家(…ギクリッ…)
「そう言えば…前に綱吉にも下品過ぎると言われた事があったな。」(汗)



リ「息子と娘に嫌われたくないなら…少しは雲雀の父親を見習うんだな。」



家「…そうだなぁ。…あの見事な化け振りは…少し参考にさせて貰うか。」



リ「…お前も気が付いたか。」



家「あぁ。…アレは只者じゃないな。」



リ「見掛けはニコニコして温和そうだが…中身は相当なキレ者のようだな。」



家「おっと…噂をしてるから、気が付かれちまったみたいだな。」



(雲雀父に向けてニカッと笑顔を向ける家光)
(相手の雲雀父も柔和な笑顔をにっこりと上品に返す)



リ「…風に…少し似ているな…」



家「あぁ…そう言えば顔も雰囲気も少しだけ似てるな…。」







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優衣「最近忙しかったので、ゆっくりお逢いするのは久しぶりですね。」



恭弥「君は…休日は沢田家に行くか、エステに行ってるからね。」



優衣「恭弥さん、もしかして…その事で怒っていますか…?」



恭弥「いや怒ってはないよ。…少し、不愉快に思った事はあるけどね。」



優衣(…やっぱり…)
「…お誘いに応じられなくて…すみません。」



恭弥「謝らなくて良いよ。…今は…本当に何とも思ってないから。」



優衣「…今は…?」



恭弥「40日に一度、思いっきり発散できるからね。」
「…何かあれば、その時にぶつけるから問題ないよ。」(楽しそうに)



優衣「…………。」
(条件に出したという、例のバトルが余程愉しいみたい)
(恭弥さんのご機嫌が良いのは助かるけれど…他の皆さんは大丈夫なのかな)







恭弥「そんな事より…その着物、僕の見立て通りに良く似合っているね。」



優衣(…っ…)
「とても素晴らしいお着物を有難うございました。」
「あの、恭弥さんのも…お似合いですし素敵な色ですね。」



恭弥「僕の物は、君の着物が映えるように選んだ物だよ。」



優衣「そうだったのですか。こうして隣に並んだ時に、とてもしっくり来ますね。」



恭弥「今日の、その着物も特別に作らせた物だけど…」
「婚礼用のはもっと手が混んだのを用意させてるから…楽しみにしてて。」



優衣「…はい。有難うございます。楽しみにしていますね。」

(これも十分に凄い凝ってるお着物だと思うんだけど…)
(もっと凄いって…どんなのだろう)

(…想像もつかない…)











<結納の儀> 終わり




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