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虹の彼方 215 <ご両親との初面会>



★改めてのご注意★


最初のサイト全体のご注意にも書いているように、
このサイトの全てのお話は、
私の激しい妄想と捏造の末に書かれている物語です。

中でも今回の215話の後日談は…
『雲雀恭弥の両親』を勝手に妄想し、かなり細かい設定も捏造しております。

皆様の持っている『雲雀恭弥』『雲雀恭弥の家族』のイメージと、
大きく異なる可能性もあります。



・ご自分のイメージを大切にされたい方。

・私の妄想に関心のない方。

・雲雀恭弥の家族の話なんて聞きたくない方。

・雲雀恭弥に家族なんていない!と思っている方。


などなど…に当たると思われる方は、
この215話を読まずにスルーして下さい。

(※スルーしても、この先のお話が全く意味不明という事にはなりません。)
(※詳細が分らないので一部の部分で、ややぼんやりするだけです。)




読んでも大丈夫だという自信のある方だけ!
215話をお読み下さい。

くれくれも『自己責任』でお読み下さいませ。
読み始めて…もし嫌だと思ったら、読むのを途中でお止め下さいね。




トップのサイトから行ける「初めに必読(このサイトのご案内)」にも
以下↓のように書いている通りです。

・原作及び、このサイトの作品への、誹謗中傷、荒し、晒し等はしないようお願い致します。

・読まれた後の『苦情・陳情・内容に反対、反論するかのようなご意見』は、
全ての作品で受け付けておりません。



※この215話だけではなく、
全編通して…この後の小話も含め全てに当て嵌まります。
この後も、自分の判断でお読み下さい。





++++++++++++++++++++++++++++++++++++++



<ご両親との初面会>




日本に帰国後、約1ヶ月して、
優衣の新しい生活が少し落ち着いた頃のお互いの休日に…
雲雀は優衣を実家に連れて行き、
自分の両親に、婚約者として紹介する事にした。



草壁の運転で迎えに行った車の中で、
超!緊張状態なのが伝わってくる優衣。

そんな優衣を見て雲雀は…


「そんなに緊張しなくても、大丈夫だよ。」



「はい…そう思うのですが…でも…」



「求婚する時に言ったけれどね、…僕の両親は、君を大歓迎するのは間違いない。」



「…そうだと…良いのですが。」



優衣の様子を見て、小さく溜息を吐いた雲雀は
…到着すれば分かる事だと思い、そのまま口を閉じた。







雲雀邸前に到着し…
自動画像認識システムが雲雀の車を認識し
大きな外門が自動で開くのを待つ。

その後…門の中を少し走り、
玄関前の広い車寄せに静かに停止した後…
草壁が静かにドアを開けてくれる。




優衣は意を決し車外に出たが…
目の前の重厚な玄関にすでに気圧され気味だった。


「…………。」

(こんな大きな和風の玄関…生まれて初めて見た)
(…これが個人宅だなんて信じられない)






車を感知したのだろう…
中から使用人さんらしき人が扉を開けてくれ、
頭を下げつつ中に誘ってくれた。



その後、雲雀に誘(いざな)われて…
雲雀邸の表座敷であるらしい…かなり広い和室に案内をされた。

部屋の前には、
単純に広いというより、“広大”という表現がピッタリな程の
とても良く手入れのされた純和風庭園が拡がっている。

庭園内にある…かなり大きな池には、
それは見事な錦鯉が悠々と泳いでいるのがチラリと見える。



案内されたお部屋も、完璧な純和風の上品さを感じるお部屋だ。
一畳分の畳の大きさも一般企画の物より明らかに大きい。
襖絵や欄干の見事さは…暫く眺めていたいと思う程。

風紀財団のあの大広間を見ていなければ、
驚く事間違いなしという…広さと豪華さだった。






雲雀恭弥は、何時でも…
特に自分が贅沢をしていると思っている節が全く感じられず
ごく自然に過ごしているように見える。

それは、育った環境を見れば…よく理解出来る事でもあった。


風紀財団のあの豪華な和風の仕様や
世間一般的に贅沢と見えるような事でもあっても
雲雀にとっては“日常”であり“普通”なのだという事だ。


優衣は、それを改めてヒシヒシと感じて…
こんな家庭文化の中で日々過ごしている雲雀の両親を想像し
自分などが受け入れて貰えるのだろうかと…
益々、緊張が高まった。







雲雀は、用意されていた
座布団に座るように優衣に声を掛けたが…


「…そんな訳には参りません。」

と言って…

作法通りに…部屋の入り口近くで、
大変に固くなりつつ座って待っている優衣。


そんな優衣を見て、小さく溜息を吐いた雲雀は…
自分は堂々と座布団に座り両親の到着を待つ。









暫くして雲雀の両親が来た。
夫婦揃って上質で品の良い和装姿だ。


雲雀父「…お待たせ致しました。」


と言いつつ部屋に入り…
優衣を見るなり、にこりとした笑顔を向けてくれる。



1人で部屋の端で待っていた優衣に対し…

父「さぁ、どうぞ…こちらの座布団にお座り下さい。」

と気さくな感じで声を掛け…



優衣が

「…失礼致します。」

と座布団に座ったのを見計らって、
傍に控えていた使用人がお茶の用意をしてくれる。









お茶とお菓子、おしぼりがそれぞれに出されて
使用人が部屋から出たのを確認をした後に…

…雲雀恭弥が、徐に口を開いた。




恭弥「先日、電話で伝えたように…この子と結婚する事にしたから宜しく。」



(……っ……)


両親に婚約の報告をするにしては、いきなり過ぎるし、
やや乱暴な物言いに聞こえる雲雀の台詞に
内心で驚きつつも、優衣は緊張した声を発する。



「お初にお目にかかります…沢田優衣と申します。」
「…どうぞ宜しくお願い致します。」

挨拶をした後には丁寧に頭を下げた。





事前に雲雀の両親に提出している「優衣の身上書」の記述では…
義母の奈々に説明しているように、
ボンゴレが作った表向きの会社の社員となっている。

また風紀財団は、その会社の取引先のひとつであったので
…仕事を通して雲雀と出逢ったという説明だ。

また…沢田家とは、
特別な縁があり乞われて養女になった…という説明をしている。







優衣の方をニコニコしながら見つつ雲雀父が口を開く

父「恭弥の父です。今日は、わざわざ来て頂き有難うございます。」


続けて、雲雀の母も口を開く

雲雀母「恭弥さんの母です。…どうぞ宜しくね、優衣さん。」





父「とても可愛らしいし、しっかりしたお嬢さんのようじゃないか。」
「良い縁に巡り合えて良かったな…恭弥。」



恭「…………。」



母「恭弥さんが見初めたというお嬢様に早くお逢いしたくて…今日の日を、とても楽しみにしていたのですよ。」
「こんなに可愛らしい素敵な方が…私達の娘になってくれるなんて、本当に嬉しいわ。」



緊張したままの優衣が…やっと声を出す。

「…恐れ入ります…」







父「まぁまぁ、そんなに緊張しないで…少し楽にして下さい。」



母「お茶が冷める前に、頂きましょうか?」



父「あぁ、それが良いね。」



母「さぁ、恭弥さんも優衣さんも…一緒に頂きましょう?」






緊張が解れない優衣をチラリと見た恭弥は…


恭「…優衣、お茶を飲んで一息ついたら?」



「…はい。…頂きます。」


恭弥に促され…そっと、おしぼりに手を出す優衣。

それを他の3人が、如何にも微笑ましそうに見て、
自分達もおしぼりを手に取り…お茶とお菓子に手を付けた。







ほんの少しの静寂の後…
雲雀父と雲雀母は、陽気に様々な会話を繰り広げた。

その間…恭弥は、終始全くの無言で過ごし。


優衣は時々

『…そうなんですか。』

という程度の軽い相槌を返す。


が、基本的に恭弥の両親が二人で殆ど話しをする。






・恭弥は雲雀家の一人っ子で…
少々…いや、かなり我儘に育ててしまったと思っている事。

・大学に入学したと思ったら、
何時の間にか何かの財団を設立していたようで、とても驚いた事。

・両親には何も説明してくれないので、未だに息子がどんな仕事をしているか知らない事。


…そして…

・今まで女性絡みの噂を一度も聞いた事が無かったので密かに心配していたが
こんなに素敵なお嬢さんを連れて来てくれて、本当に心から嬉しく思っている事。

・自分達と息子の間には、正直少し溝があるようで寂しさを感じていたが
今後は優衣を通して交流が増えそうな気がするので、とても楽しみにしている事。

などなど…他にも実に色々な話を聞いた。








雲雀の父は…
ごく一般の会社を複数経営している事業者でもあるが…
家計の収入の大半は、社長としての給与収入ではなく不動産収入だ。

雲雀家は…広大な雲雀邸を見ても分かるように、
昔からこの地域での最大の大地主なのだ。



雲雀邸以外の場所で、並盛内にかなり多くの土地を持っている。
駅前の巨大ショッピングモールや
高層ビルなどが立ち並ぶ辺りの土地も雲雀家の物なので
そこから入る土地やビルの賃借料収入だけでも…年間に莫大な金額になる。



実はボンゴレの地下アジトや、
風紀財団の地下アジト周辺の地上の土地も全て雲雀家の物だ。
※正確には雲雀恭弥名義の土地になっている。

つまりボンゴレは雲雀恭弥の許可を得て
地下使用権を貰い、あの巨大な地下アジトを作ったのだ。

その為ボンゴレは毎年…
「地下の使用料」として年間にかなりの額を“雲雀個人”に支払っている。





…因みに…

雲雀が中学生の頃から仕切って「ショバ代」を
集めていたので有名な、祭の時に屋台の並ぶ地域も
…代々雲雀家が持っていた土地だった。

雲雀恭弥はその土地を、父親名義から自分名義に替えさせた上で
ショバ代を集めていたのだ。


土地の持ち主から要求されるショバ代であったので…
「土地の一時的賃貸契約の一種」という解釈をされ
警察も認めていたというか…黙認させられていたのだった。

一応…雲雀なりに筋を通した事をしていた事になる。
あくまで“雲雀恭弥基準の筋”だが。










雲雀の両親が一体どんな人達なのか…
恭弥本人からは『会えば解かる。』と言われ
何の情報も貰っていなかった優衣は…少しだけ意外に感じていた。

名家の当主とその妻と聞くと、
厳格で堅い人達のようなイメージを持っていたが…
眼の前で、楽しそうに仲良さそうに会話をする二人は、
とても親しみ易いと感じる方々だった。


(…優しそうなご両親で良かった…)

ホッとした面持ちで、そんな事を内心で思う。







会社経営者でもある雲雀父は、
穏やかに見えるが…実はとてもしっかりした方であり
イザという時には、獅子奮迅の活躍を見せる方ではないだろうか?と感じる。

ほんの少しだけ…義父の家光に似ているかも知れない。
尤も…上品さという点ではかなりの差があるが。


優しい口調だが、抑えるべき所はしっかり押さえており
夫婦の会話に混ぜて…さり気無く、
息子恭弥に向けての言葉ではないかと思える事をチクリと話す。

それに家光父のように…豪快な所も一部ある人のようだ。
胆力がありそうにも見える。



あの雲雀恭弥の父であるのだし…恐らく只者ではないだろう。
だが、それを上手く隠しているようだ。

息子のやっている事も“良く知らない”と言いつつ
本当の所は…知っているのではないかと何となく感じる。


能ある鷹は爪を隠す…という事なのだろう。
なかなか…食えない人物である…のかもしれない。

だが、優衣に対しては…本当に心から歓迎してくれているのが伝わって来る。







雲雀母は、口調も話す内容も見た目の雰囲気も
…少しおっとりした感じの方だ。

元気いっぱいの義理の母である奈々さんとは…だいぶ感じが違う。


でも少し天然気味である所は…似ているかもしれない。

夫の事が大好きであるらしい所も…二人に共通している。
とても夫婦仲が良いみたいだ。
楽しそうに嬉しそうに、様々な話しをする。


でも…こちらも、単純におっとりしているだけの人では無さそうだ。
一本の筋を感じるというか…上品さの中に凛とした物を感じる。

話の中に、何のかんのと…
息子恭弥を信じているからこそ彼の自由にさせているのだというのも伝わる。
イザという時の為の覚悟も出来ている…というような
肝が据わっている感じも…少しだけ背後に透けて見える気がする。



そして雲雀父以上に、
優衣の事を大歓迎しているのがとても伝わって来る。

今までは、恭弥と話そうにも…忙しさを理由に
ロクに会ってさえくれず十分に話せなかった分も含めて…
今後は優衣と一緒に過ごす時間を楽しみにしているようだ。









(…これが、恭弥さんのご両親…)



適度に会話に混ざりつつ…
これならば自分でも何とか上手くやって行けそうだと思って
内心でホッと胸を撫で下ろす。





(恭弥さんが言っていたのは…嘘ではなかった。)

(こんなにまで大歓迎してくれるなんて…なんて有難いのだろう。)



優衣が、チラリと隣の恭弥を見る。

その視線に気が付いた恭弥が優衣の方をみて
…僅かに微笑みながら小さく頷く。








目敏く、その様子を見つけた雲雀の母が…

母「…ふふっ…。」
「恭弥さんの…こんな穏やかなお顔を見られるとは思わなかったわ。」


と嬉しそうに言えば…雲雀父も…

父「うむ。恭弥のこんな顔は…初めて見た気がするな。」





それを聞いた恭弥が、ふぃと顔を背ける。




…その様子を見て…


雲雀父・母・優衣の三人で…声を立てずに…静かに笑った。











<ご両親との初面会> 終わり



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