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おしどり夫婦 7



父さんと母さんの…こんな風景を見ると…
(いや、『見せ付けられると』…のほうが正しい表現だね)


母さんの、本当に幸せそうな顔を見ると…

そして、とても珍しい…
他の人にはあまり向けない、父さんの貴重な笑顔を見ると…

まるで、僕等が…父さんに負けた気がして…、
少しだけ悔しいんだけど、…でも…
やっぱり、敵わないな…なんて、思ってしまう。





…はぁ…


こんなのを…「おしどり夫婦」って…言うんだろうな。


この二人を引き離すのは、絶対に無理そうだし…、
明らかに、僕等、子供達には解らない…
『夫婦の絆』のようなものが、あるらしい…。

張り合うだけ…無駄って事だね。 

……うん。






…ん?…
僕は、父さんに張り合うつもり…だったのかな?

そんな事はない…とは、言えない…な。



もしも、母さんに…
『僕等、子供達か、父さんの…どちらを選ぶ?』

なんて事を聞いたとしたら…
(実際、聞く事は絶対にないけど)




答えは、決まっていると思うんだ…

『どちらも、とても大切ですよ。 …選ぶ事など出来ません。』

と、そう…とびっきりの笑顔で答えるのだろう…







…………。

僕等は、母さんに(実は父さんにも…)心から愛されている。

とても大切にされている。




…だったら、それで充分じゃないか?

そもそも…母さんを巡って、父さんと張り合うなんて…不毛な事だよね?

あんなにラブラブなんだし…どう見たって敵いっこないのに…。
それに、別に…
父さんに敵わなくても、全く問題のない事だしね。







あっ!!  

…もしかして…?

父さんが…僕達にライバル心を燃やすのは…
僕等の、こんな気持ち=母さんを取り合いしたい気持ち。
…を感じているから…かも?


だって、恐らくは…そんな気持ちはあまりないであろう、妹の真衣には…
父さんは、あまり対抗心を出したりしない。

だけど…
僕と弟の拓弥には…時々、明らかな態度で対抗心を示す…。
あれって…、ワザとだったのかも…しれない。
僕達を…牽制する為だったのかな…?



って、それは…考え過ぎだろうか?
いや、でも…あの父さんなら、有り得る事だ。

…あの人、すっごく敏感で勘が良いし…。









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あきゅろす。
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