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おしどり夫婦 5





そんな事を、つらつらと考えていたら、
僕の部屋の内線電話が鳴り…母さんに呼ばれた。



ダイニングに行ってみると、
弟の拓弥と、妹の真衣も呼ばれてて、既に椅子に座っている。

そして!
なんと、珍しい事に…父さんも一緒にいる!



どうしたんだろう?と思ってると…

「政紀も、椅子に座っててね、もうすぐだから…」

と母さんに言われ、大人しく座った。







だけど…ιι

父さんが、一緒のテーブルを囲んでいるなんて、
…珍しいな…どうしたんだろう?

隣に座ってる、拓弥も同じ事を考えているようだ…
というか、拓弥は…新聞を読んでる父さんを…睨んでいる…ι



拓弥と父さんは、顔も性格も似ているし、
…どうやらこの家族の中では、一番のライバル同士のようで、
この二人が揃うと…
どうも雰囲気が、イマイチ悪くなるんだよね…ι

それに、二人共…群れるのが嫌いだし(ただし、母さんは除く)。







何とも…気不味い雰囲気の中で、待っていると…
母さんがキッチンから、何かを運んで来た…。



運ばれて来たのは…
かなり大きめの…プリン?のようだった…、
色が違うから、きっと味も違うんだろう。

それと…母さんが入れたお茶。


「櫻井の家から送られて来た…今、ネットで評判のプリンだそうですよ。」
「皆んなで、頂きましょうね。」

母さんが、にこにこしながら説明をしてくれた。




流行り物(特に食べ物系は)が大好きな…櫻井家らしいチョイスだ。
にしても、ひとつが、すっごく大きいよね?
ひとつで、普通の4倍はありそうだ…。

それに…器が、まるでビーカーのようで面白い。
…あ、ちゃんと目盛まである…。
と感心しながら、その珍しいプリンを眺めた。



父さんも拓弥も無言だけど…珍しい物を見た…という顔だ。

妹の真衣は…
「わぁ〜!とっても大きいです!色々な種類があるし!」
と大喜びしている…。






母さんから、それぞれのプリンの味を聞いて、自分の好きな種類を選んだ。

父さんは、定番の普通のプリン。
僕は、ゴマプリンを選んだ…。
弟の拓弥は、カフェオレ味のもの。
妹の真衣は、チョコレート味…。
そして母さんは、かぼちゃプリン。



笑顔で全員にそのプリンを配り、
お茶を置いた母さんが、椅子に座り…


「お待たせ致しました。…では、召し上がれ。」


と言ったと同時に…
僕と真衣は大きな声で

「「いただきます!」」



そして、父さんと拓弥は、やや小さな声で

「いただきます。」



と言って、各自で食べ始めた。











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