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おしどり夫婦 2



あの時は…明らかに機嫌が悪かったよね。



思うに、玄関への出迎えが無かった事と、
僕等が…母さんを囲んで、楽しそうにしていたのと…
その両方で…拗ねたのだと思う。


…うん、絶対にそうだよね…。





ホント毎度毎度、思う事だけど…子供相手に嫉妬するなんて…
一体、どんな父親なんだ…。


どれだけ母さんを独占したいんだ…あの人は…。







父さんが、母さんに心底惚れ込んでいるのは…周囲の誰もが知ってる事だけど
(父さん独り、それを認めないんだけどね?)


それは、解るけど…
相手は僕達…つまり自分の子供達だって言うのに…
あんなに不機嫌になる事も、ないと思うんだけどね…。



子供の僕が言うのも何だけど…大人気ないよね?
というか、ハッキリ言って…子供だよね?






別に、そんなに母さんを独占しなくても…
どう見ても…

母さんが、どれほど父さんの事を愛してて、大切に想っているか…
何より大事に想っているかって事は…
誰の眼にも明らかな程、ハッキリしている…。






つまり…僕の両親は…
二人揃って、お互いがお互いに…ぞっこん惚れ込んでいるという事だ。

まぁ…俗に言う 『ラブラブ夫婦』 って事だよね…


子供の僕達から見てもそうだし…
周囲の人達に聞いても、みんなそう言う…
(草壁さんも『お二人の仲睦まじさは、有名ですよ!』…って言ってたしね。)







仲良さそうに、二人で並んで、お茶を飲んでいるような場面を見ると…

用事があっても…、
『まぁ、後で良いか…』  
と、子供の僕達が遠慮する程に…

僕達にまで、((邪魔してはいけない…よね?))…と、
気を遣わせるレベルの…ラブラブさだ…。






母さんと、二人キリでいる時の父さんは…
何時の厳しい感じが、かなり少なくなって…
一見、普通の人に見える程…変わる。


父さんの殺気(母さんは、「周囲に対する注意の気持ち」と言うけど)を
完全に、出させないような事が出来るのは、
きっと…世界でたった一人、母さんだけなんだろう…



つまり父さんが、完全にリラックス出来るのは、
母さんの傍だけ…という事か…。










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