帰港地 9 さっき喧嘩をした時に、 あんなに… 感情的に言いたい放題の事を言った私は、何処へ行ったの? というぐらい…、 怒りの感情の消えた私は、勢いがなく、何も言えなかった。 固まって、何も言わない私に、 更にイラついたような言葉が降ってきた。 「ねぇ、早くさっきの僕の質問に答えなよ。…あれは、僕宛ての言葉?」 ……仕方ない、 質問で聞いてるけど、どうやらバレバレのようだし、 隠す意味もないから…言ってしまおう。 「…はい、そうです。」 「あんな言葉ひとつで、終わりなのかい?」 「………。他に言いたい事もありますが、一番言いたい事だけ…言いました。」 「へぇ…、一番言いたい事は、感謝の言葉なのかい?…君が言ってた不満の方じゃないの?」 「…あれは、その…つい、感情的になって言ってしまった訳で…一番言いたい事って訳ではありません。」 「そう。…でも君が僕に対して不満を抱えているのは事実なんだろう?」 「…それは、まぁ少しはありますが、でも、不満ばかり抱えている訳じゃないです。」 「あれは勢いで言ったので…大袈裟に言いましたし…。」 「私だって、ちゃんと…今までお世話になった事に対して感謝してます。」 「他にも…有り難いとか、嬉しいとか思う事も、一杯あったし…」 「だけど、そんな事まで言ったら…泣き出しそうで…考えただけで泣けて来るのに…。」 「ココに来て、暫くの間泣いていたのは…それが理由かい?」 「…まぁ、そう…です。…今までの事を、色々と振り返ったら…泣けて来て…。」 「ふぅん。…自分の愚かさに、泣いてるのかと思ったよ。」 …何気に酷い事言う人だ…、 まぁ、でも…雲雀さんはそんな人だし。 それに、強ち間違ってはいない…というのが、 何となく悔しい…。 少し涙目で…彼の事を睨んだ。 私が睨んだ所で、全然迫力なんてないから… 雲雀さんに効果なんて、全くないけどね…。 [*前へ][次へ#] [戻る] |