帰港地 5
…ぶらぶらと夜の道を、ゆっくり歩いていたら…
並盛神社の下まで来ていた…
習慣って怖いな…。
無意識にココに来てしまった。
こんな夜中に、
灯りの少ない神社の前に立つと…ちょっと怖いかも…。
木が風に揺らされる音が、遠く近く…
ゆっくりと響いて、夜中の街並みに消えていく…
暫く階段の下から、見上げていたけど…
思い切って上まで上がることにした。
もうきっと…これで最後だろうし。
二度とココに来ることはないと思うから、ちゃんと神社に挨拶しておこう。
幸い今夜は美しい月夜で…
そこそこの明るさがあるから、階段も難なく登れるしね。
この神社には、一言で言えない程、色々とお世話になってる…。
それに、ココは雲雀さんの財団のアジトへの入り口もあるから…
昼間には来れないしね。
…今の時間なら、誰もいないだろうし…。
長い階段を上り、お社の前に立つ。
改めて、様々な想い出が蘇って来た…。
泣いちゃいけないと思うけど、どうしても涙が零れて来る…
まぁ、仕方ないよね。
この数年間を丸々捨て去るような事をしたんだもの…。
感傷的にだってなると思う。
ココなら誰にも見られずに泣けるし、
今だけ泣かせて貰おう…。
そして、泣き終わったら…
何事も無かったように笑って、出発しよう!
何をどうして良いか、分からないけど…。
それは、明日、落ち着いた頃に考えれば良いよね?
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