帰港地 3
行く場所もないし、私は取り敢えず駅前に向かった。
雲雀さんの嫌いな…群れのたくさんいる場所。
滅多に来ない駅前は、
以前来た時より、新しいお店も出来てて相変わらず賑やかだ。
もう夜も更けて来てる時間だし、
少しは人通りも減ってるかと思ったけど、意外と多いのね。
仲良さそうに手を繋いだり、
肩を組んだ恋人達と何度かすれ違った…。
…みじめだな、私…。
こんな所で、何をしてるんだろう?
ついついカッとして、突発的に飛び出してしまったけど…
その先を何も考えていなかった…。
我ながら、今日の私はおかしい…
…情緒不安定という状態のようだ。
でも、それを自覚したからって…どうにもならないよね…今更…。
目的もなく歩いていたら、
24時間空いてるファミレスを見つけた…。
もう遅い時間だけど、ここならゆっくり出来そうだ。
お腹も空いたし…ココで何か食べて、今後の事でも考えよう。
そう思って、お店に入った。
食事をしながら、
これからどうしようか?と色々と考えたけれど…
…正直、どうして良いか分からない。
普通は、“実家に帰る”という選択肢を取るのだろうけど、
私の場合は…
両親の猛反対を押し切って、雲雀さんの屋敷に転がり込んだので…
のこのこと帰れる筈も無い…最近は碌に連絡もしていなかったしね。
常日頃の親不孝さを考えると、とても両親には頼れない。
あぁ、こんな事があるのなら、
連絡ぐらいマメにしておくのだったな…
(何しろ相手は、悪名高い“あの雲雀恭弥”)
(…両親が猛反対するのも、心配するのも当然よね。)
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