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帰港地 20




あぁ…まさか私にも、こんな日が訪れてくれるなんて!


友人達の結婚の報告を聞いても…私には縁のない事だと思って…
極力、考えないようにしていた。

数年間…これと言って進展も変化もない私達には…羨ましい話だった。




所が…今では、目の前に沢山のブライダル情報!

昨日までは、思ってもいなかった急展開に、
まだまだ…心がついて行けないけれど…

一晩経って…
じわじわと、幸せな気持ちが込み上げて来た。








ご機嫌で、雑誌の中のウエディングドレスを見ては…
どんなのが良いだろうか?
雲雀さんの好みは、どんなタイプだろうか…と
あれこれ考えてみる…

どれもこれも素敵で…簡単には決められそうにない。






あれこれと、考えては楽しく幸せな気分に浸っていたら…
…雲雀さんがお部屋に入って来た。



「どこの式場が良いか、決めたかい?」



「…あの、さっき…この雑誌を広げたばかりです。まだ殆ど読んでいません。」



「…早くしなよ。真理子が決めた会場で、一番早く開いてる日に式をするから。」



「え…、一番早い日?いえ、それは…ちょっと…色々準備とかあるし…。」







「あまり遅くなると…僕の“結婚式をする気“がなくなるかも…しれないよ?」
「…良いのかい?」



「や、それは…困ります。」



「そうだろう?」
「…この僕が、真理子に合わせてあげて結婚式をしてあげるって言ってるんだから…早くしなよね。」

「僕的には、役所に届ける紙一枚で済ませても、全く構わないんだ。」
「わざわざ式をするのは…君と、君のご両親の為なんだし。…だから、僕の気が変わらない内に選びなよ。」







「………。私と両親の為なのですか?…有難うございます…。」



「うん。君のご両親には…真理子は完全に僕の物だと、見せ付けておかないといけないからね。」



「…そ、それは…。…あの…。」




今の言葉に…とっても不安を感じる…。
 
彼は一体、何をするつもりなの!?






「大丈夫だよ。」
「いくら僕が君のご両親に対して腹立たしい気持ちがあったとしても…結婚式の最中に、喧嘩を売るような事はしないよ。」



「やはり…私がココに来る時に両親が大反対した事、怒っているのですよね…?」



「まぁね…。僕の事を…厄病神のように言ってたし。僕の言葉を信じようとしなかった。」












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