[携帯モード] [URL送信]
帰港地 2





思えば告白したのだって私からだし、何故だか告白を受け入れてくれて、
付き合いだしてからだって、
彼が甘い言葉を言ってくれる事など、なかったと思う。


勿論、好きだとか愛してるなんて言葉…言われた記憶がない。




なのに、どうして彼は私を傍に置いておくのだろう?
そんな事…怖くて聞けないけど。
だって、「何となく」とか「別に」なんて事をサラッと言われそうだし

彼の口から直接そんな事聞いたら、
本格的に彼の傍にはいられなくなりそうだ。



そんな事を聞いてしまっては…私の心が痛くて…。
きっと、壊れてしまうから。



そう、この関係は昔から変わっていない…

…何時でも…私の一方的な片思い…







つい勢いで、お屋敷を飛び出したけど、
もう数年間もの間…
雲雀さんと一緒にあのお屋敷にいる私は、行く所がない。



…どうしよう…。



彼は、迎えなんて来てくれないだろうし、
もしかしたら…
もう、このまま別れる事になるのかもしれないな…

そんな事を、やっと冷静に働き出した頭で考えたけど、後の祭りだよね。




…今頃、後悔したって遅い。









[*前へ][次へ#]

2/29ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!