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帰港地 17





「うん。…良し、じゃあ早速準備をさせよう。…取り敢えず、哲に色々と調べさせてみようか。」



と言いつつ、自分の携帯を出したのをみて…
慌てて尋ねた。





「…準備って?…あの、何の準備ですか?」



「何のって、…結婚式に決まってるだろう。」



「…はっ!?…結婚式って、あの…誰の!?」



「真理子、真夜中だからって…寝ぼけているのかい?…僕達の結婚式に決まってるだろう?」



「え!?…いえ、…あの、でも…結婚するなんて一言も…」



「…(溜め息)…。」
「さっき“ずっと一緒に居て”とプロポーズしたよね?…真理子はOKしたじゃないか。」






(え、えっ…!!ちょっと待って…!!) 

と、心の中で、大いに焦る…。

さっきのアレって、プロポーズだったの!?!?




凄くサラリと、普通に言われたから…

“今までの生活に戻る”という意味だと、思ったのだけど!?





「…あの…そんな意味だとは知らずに…答えました。普通に、傍に居てという意味だと…。」




「…何。…君、嫌なのかい?」


やや不機嫌そうな…低い声…。




「いえ…そんな意味ではなく。ただ、プロポーズだとは解からずに答えただけで…あの…。」



突然の展開と、雲雀さんの不機嫌な声に…

少々慌てつつ…答える。







「つまり…もう一度…、真理子に解る言葉で言い直せと言いたいの?」



「…ええと…出来れば、そうして頂けると嬉しいのですが。…こんな事、一生に一度です…し?」




ちょっと意識して、
上目遣いでお願いするように言ってみる。







だって、雲雀さんがこんな事を言ってくれるのは、
…きっと今だけ!!

これを逃したら…
もう一生言って貰えない気がするものっ!!






「本当に、真理子は鈍いし我が儘だね。」 
「…でも、まぁ、そうだね。一生に一度だけだし、特別にもう一度だけ言ってあげるよ。」




そう言うと…何時になく優しい雰囲気で、私の眼を
…彼の、鋭くも美しい瞳が捉える。











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