帰港地 13 「全く…ここまでヒントをあげてるのに解らないなんて。…君は鈍いとは思っていたけどね。」 「…ヒントが大き過ぎて余計に解りません。それに、鈍いのは元々からの仕様です。」 小馬鹿にされた言葉に、 ほんの少しだけムッとつつ答えた。 …どうせ、私は…鈍いし勘だって悪いですよ。 長く一緒にいるのだから、良く知ってるクセに! 本当に、最後まで意地悪なんだからっ! そんな私を見て、 ほんの少し苦笑した雲雀さんが…口を開く。 「じゃあ、教えてあげるよ。…真理子だけが持つ、特別なスキルとは…」 「…それは…、“僕の癒し”である事だよ。」 「…え?」 何を言われたのか、スグには理解が出来なくて… 一瞬、頭が真っ白になる…。 「…雲雀さんの…癒し…?」…あの、…私がですか…?」 「そうだよ。…他に誰がいるって言うのさ?」 「え、いえ…でも…私が?…あの、…本当に?」 「真理子は、つくづく…鈍いよね。話にならないレベルだよ。」 「…いや、あの…それは、そうかもしれませんが。というか、今ココでそんな事を言わなくても。」 「鈍い君には、言わなきゃ解からないんだろう?…それとも僕が言いたい事が解ったとでも言うの?」 「そ、そんなに何度も、鈍い鈍いって言わなくても…」 「…うぅ、いえ…何を言いたいのか…サッパリ解りません。…教えて下さい。」 「うん。…最初から、素直にそう言えば良いんだよ。仕方ないから教えてあげるよ。」 「…良いかい、良く聞きなよ?」 「…はい。」 [*前へ][次へ#] [戻る] |