帰港地 1
雲雀さんと、喧嘩をした。
理由は…よく解らないほど、些細なことで…
要するに、あまり逢えない彼にイラついて、寂しさをぶつけたという所。
一通り、私の感情丸出しの言葉を聞いた雲雀さんは、
ただ大きく溜め息をつくだけ、…そして一言。
「…くだらないね。」
酷い!!
…彼は何時だってそうだ。
私に投げかける言葉は、
“くだらない”とか“時間の無駄”とか…そんな事ばかり。
「…ねぇ真理子、いつまで不貞腐れてるのさ?」
「お腹空いてるんだ、何か作ってよ。」
「………。」
私が1人、この広いお屋敷に残されている間、どんなに寂しいかとか、
どんなに心細いかとか…
そんな事は、
彼には重要な事ではないって、知ってたけど…でも…。
…………。
……もう、我慢の限界!!
思わず、雲雀さんのお屋敷を飛び出した。
何時もなら、そんな事はしないけど、今日は何となく…
…もう一緒にいたくない、なんて…
…そんな事を、突然想った。
彼は…制止する言葉を掛けてくれるハズもなく、
きっと、追いかけても来る事も無いだろう。
今まで、こんな事したことないから、解らないけど、
…きっと、そうだと思う。
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