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家族模様 7




以前、恭弥さんと一緒に来た時に、
一度…店長以下数人の方々にズラーと並ばれて…
今日以上に、長々と挨拶された事がある。


でも、その時に…店長が話している途中で…


「…煩い。これ以上、僕達に構わないでくれる?」


と低い声で言った、恭弥さんの一言で…、
店長以下、全員が一目散に逃げるように…その場から離れたのだけど…ι

あれ以来、私が独りで来てもこんな事は無かったのに…、
今日は…私と子供達だけだからだろうか?







なおも…話し掛けて来る店長…


「今日は、どういった内容のお買い物でしょうか?」
「お子様方しか、いらっしゃらないようですし…お荷物をお運びする店員をつけましょうか?」





その言葉に、敏感に反応する拓弥…


「…人は要らないよ。僕等だけで大丈夫だ。」


軽く睨んだ表情で言う拓弥に、僅かに怯えつつ更に店長が…



「…左様でございますか?…いえ、でも…しかし…」

と、言い掛けた所で…




「…煩いよ。僕達に構わないで。」


…今度は、少し強い口調で、
しかも思いっきり睨みを利かせて…拓弥が言い放つ。





と、顔を真っ青にした店長が

『し、失礼致しましたっ!』 

と凄い勢いで頭を下げたかと思うと…急いでその場を去った…。







その様子を、ずっとキョトンとしたまま見ている真衣の隣りには…
苦笑をしつつ盛大な溜め息をしている政紀…

そして腕組をして…
さも不機嫌そうに店長の去る様子を見ている拓弥…



…ふぅ…
私独りでは、店長の申し出を断るのは大変だったかもしれないから…
良かった…のかな?

にしても…本当に…拓弥の睨みは怖いのね…





普段、私に対してはあんな表情はしないから少しビックリした。

真衣も驚いているようだ。
でも政紀は普通だという顔をしている…
という事は、学校でもきっと似た様な事があるのだろうか…?



…………。


あまり考えたくないけれど…
あの恭弥さんの息子、ですしね…
と考えて少しだけ溜息をついた。















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