家族模様 3
一方、次男の拓弥は…
学校での様子を尋ねても、
返ってくる返事は大抵同じ内容…
「…別に…」
とか…
「特に変わった事はないよ。」
など、ひとことで終わりの事が多い…。
この子は…恭弥さんに似て、
独りでいるのが好きで学校の集団行動に馴染めず…
自ら、その集団の輪からはみ出す事をしている。
けれど学校自体は嫌いではないらしく、
一応、キチンと毎日登校はする。
一度も、遅刻も早退もした事がないのだけど…
気が向かないとクラスには行かないようで…
校内の色々な場所で好きに過ごしているらしい。
どうして学校の先生方が、
そんな拓弥を注意してクラスに連れて行かないのか…
その理由は…兄の政紀いわく、
「拓弥は、父さん似で…」
「やたらと強くて誰も敵わないし、睨んだ時の怖さも半端ないし…」
「それに…拓弥に手を出して、父さんに睨まれるのが怖いんだろうね。」
と…いう事だけど、
正直、ちょっと複雑な思い…。
確かに「型」に嵌るタイプの子ではないし、
頑固さも半端ない子だし…
大人が言い聞かせて、
それで言う事を聞く子ではないのは良く知っているけれど…
しかし…親としては少々将来が不安にもなる。
因みに、授業には気まぐれにしか出ないのに、
成績だけはやたらと良い…
何時、どんな形で受けているのか不明だけど(政紀も知らないそうで…ι)
最低限受ける必要のあるテストだけは全部受けていて…
尚且つ、その全てで満点を取ってくる。
先生のつける成績の評価は、
当然のように…最高評価しかない。
授業には、ろくに出てもいないのに…
こんな事で良いのだろうか?と思うけれど、
父親である恭弥さんに意見を聞いても…
「別に、…良いんじゃない?」
と、素っ気ない返事しかくれない…。
どうやら、恭弥さんの学生の時も、
少し違うが同じような感じだったみたいで…
自分に似ている事に、ムッとしつつも…
“別に気にする程の事ではない”という考えらしい…
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