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家族模様 18






恭弥さんの分も一緒にお茶を入れて深くソファーに腰掛け、
ゆっくりと香りを楽しむように味わう…

まったりとした、穏やかな時間が過ぎて行く。




「今日は…1日中、子供達と一緒に過ごしたのかい?」


おもむろに会話を始めた恭弥さんの表情は柔らかく…
彼の機嫌の良さを表している。




「…はい。朝食の後に真衣が“一緒にお菓子を作りたい”と言って来たので」
「政紀と拓弥も誘って…ついでに、お夕飯のおかずも子供達と作る事にして」
「お買い物から、お夕飯を作るまで…今日はずっと一緒でしたね。」




「子供達が…1日中、君にべったりなんて最近では珍しいんじゃない?」 




「そうですね…三人揃って、1日一緒なんて滅多にない事ですね。」
「…特に拓弥は…」









「優子…今、君はとても満足そうな幸せそうな顔をしてる。」
「…そんなに楽しかった?」




「え?…そうですか?」 
「今日は、改めて子供達の色々な姿を見られて…貴方にも喜んで頂けたし…」
「確かに幸福を感じて満足しているかも…しれませんね。」




「…ふぅ〜ん。…何だか、少し妬けるな…。」








「…ふふ…、子供達相手に嫉妬ですか?」




「…いや…妬けるというより…羨ましいの方が近い感情だね。」




「では今度の貴方のお休みには…5人で一緒に何かを作りましょうか?」




「それは遠慮しておくよ。…僕がいたんじゃ邪魔にしかならないよ。」







「そんな事はありません…。きっと楽しいと思いますよ?」




「少なくとも、拓弥は嫌がるよ。絶対に一緒に作らない!と言い出すと思うな。」
「ま、僕は…食べる専門で良いよ。」
「…優子と子供達が楽しそうで…良かったと思っただけだから。」







「…う〜ん、確かに言いそうですが…。」  
「では、次回…恭弥さんがお仕事で出掛けた日に、子供達が全員揃うようでしたら」
「また今日と同じように一緒に何かを作る事にしますね。」




「うん。休日出勤した日の楽しみになりそうだね。…期待しているよ。」





「はい。…そんな日は、出来るだけ早目にお帰り下さいね?」




「…わかった。」






香り豊かなお茶を味わいつつ、一日の終わりに恭弥さんとこんな会話をして、
自然と微笑みが浮かぶ…


穏やかで、じんわりと暖かく心に広がる幸福感に、
…心身共に満たされる…

なんて幸せな一日の終わり方だろう…




心の底から…今日の状況と環境に、感謝を捧げた。

















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