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家族模様 14




真衣が嬉しそうに…

「パパ! …これが、真衣とママが作ったチーズケーキですよ♪」

と、テーブルの真ん中に置かれたケーキを指して言う。



「…うん、美味しそうだね。見た目もキレイに出来てるね。」

と褒めると本当に嬉しそうにニコニコする真衣。
それを見て、政紀もとても嬉しそうな笑顔。
あの拓弥も少しだけ笑顔だ。






まだ皆んな立ったまま…今度は、政紀が声を掛ける。


「父さん、このハンバーグは…」
「僕と拓弥が母さんに教わりながら作ったんだよ。」



「…へぇ、君達が…ハンバーグを?」



「初めてだったけど…結構上手く作れたと思うんだ…。」
「父さんの分のハンバーグは…真衣が一生懸命に形を整えたんだよ。」



「そう。…形は悪くないね。」






それを聞いて、拓弥がポツリと呟く…

「…味も、…悪くない筈だよ。」



滅多に自分からは父親に話し掛けない拓弥の発言に少し驚きつつ…
ほんの少しだけ微笑んで目を細める恭弥さん。





普段ではない…
とても珍しいシチュエーションに緊張しているのか…
誰も座らずに立ったまま話している事が何だか可笑しくて…笑みが零れる。




「さぁ座って…皆んなで、一緒に頂きましょうか?」

そう声を掛けると…
漸く、各自の定位置にそれぞれが静かに腰かけた。







「「「いただきます。」」」


家族5人で揃って声を合わせて…『いただきます』なんて言ったのは…
一体、何時振りだろうか?



…もう記憶にない程、昔の気がするけれど…



“なんて、幸せな瞬間なのだろう!”

…と、改めてしみじみじみと感じる。













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